専門医コラム

2020/04/20

アビガン、アビガン、アビガン!!

世界保健機関(WHO)がCOVID-19と名前をつけた新型コロナウイルス感染症。
「治療法がない」という公的発表により、感染拡散防止のための措置で世界的な経済クラッシュを生じていることは周知のごとくです。

一般的には、感染そのものよりも日々の収入問題が多くの方に重くのしかかっていることと思います。

この新型コロナ感染症は、1日から14日間という長い潜伏期(5日間が一番多い。2月23日付WHO)を経て、風邪やインフルエンザに似た症状を引き起こします。軽症の風邪症状で済む人や、症状の出ない不顕性感染の人も、若年層を中心に多くいると考えられています。しかし、発症約1週間後から肺炎の徴候があらわれることもあります。重症化して肺炎を引き起こし、さらに重篤化して死に至らしめる危険性のある病気です。

すでにご存じの方も多いかと思いますが、中国で行われた臨床研究(登録番号 ChiCTR2000029600)では、18~75 歳男女を対象に、 ファビピラビル(アビガン)を 1 日目に 1 日 2 回 1,600 mg、2 日 目以降は 1 日 2 回 600 mg、最長 14 日間以内、さら に IFN-α1b60 µg が吸入にて 1 日 2 回併用投与され ました。対照のロピナビル/リトナビル配合錠投与群に 比して PCR 陰性化までの時間(中央値)が有意に短く (4 日間(IQR:2.5–9)対 11 日間(IQR:8–13) (P <0.001))、安全性も高いとファビピラビルの有効性が報告されました。

その後、日本においても2020年4月17日現在で、私が調べた限りでは以下の臨床治療例が報告されています。いずれもファビピラビルの有効性を評価しています。

 

発熱・下痢症状を伴う新型コロナウイルス肺炎に対しヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビルを投与したが増悪しファビピラビルが著効した1例
(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター)(2020.4.15) 

発症8日目にファビピラビルを投与し、翌日から急速に改善したCOVID-19肺炎の1例
(日本赤十字社伊勢赤十字病院)(2020.4.15)

透析患者にFavipiravirを使用したCOVID-19肺炎の一例
(名古屋大学医学部附属病院)(2020.4.15)

当院におけるCOVID-19診療11例の経験 ―ファビピラビル投与を行った肺炎例を中心に―
(独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院)(2020.4.13)

ファビピラビル(アビガン®)投与により速やかな症状改善とPCR陰転化を認めたCOVID-19肺炎
(東京品川病院)(2020.4.6)

ファビピラビルを早期投与し軽快した80代後半のCOVID-19肺炎の1例
(船橋中央病院)(2020.3.31)

ファビピラビル使用例を含むCOVID-19肺炎の2症例
(杏林大学医学部付属病院)(2020.3.31)

早期のファビピラビル、シクレソニド投与にて重症化せず軽快に至ったCOVID-19肺炎の1例
(独立行政法人労働者安全機構旭労災病院)(2020.3.31)

上記以外にも、藤田医科大学の土井洋平教授は、「アビガンを投与された300人のうち、軽症と中等症の患者ではおよそ9割、人工呼吸器が必要な重症患者では6割で2週間後に症状の改善が認められたと報告されています。

米国では人工呼吸器を付けた8割が亡くなっている、という報告と比較しても相当の治療効果があると考えられます。

新型コロナウイルス感染症は不治の病ではなく、アビガン内服で一般のインフルエンザ感染程度の取り扱いで問題ないということになれば、自粛による経済問題を回避できる可能性が高まっています。

岡田晴恵教授 医療従事者には「アビガンを持たせて」
 

 感染免疫学、公衆衛生学を専門とする白鴎大学教育学部の岡田晴恵教授が4月15日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、医療崩壊にならないために「アビガンを持たせて」と提案しました。

番組では、患者1人に医師3~5人体制、8人の重症者に通常業務を行いつつ、20~30人の医師・看護師が必要という厳しい医療現場について取り上げ、岡田教授は以下のように提言しました。

「医療従事者を守ることをしないといけない。医療従事者には優先的にPCR検査を全員やるってことぐらいのことをしないと。もし感染していて症状が出たら、速やかに重症化を阻止させる」

マスクや防護服が足らないという現状もあり、

「こういう人たちにアビガンを持たせると。予防ではなく、症状が出たら速やかに飲んで重症化を阻止すると。医療者ですから、プロですから。それをやらないと、医療者が持たない」
と訴えました。

さらに

重症の方にはこれだけ医療資源を使うんだということを考えないといけない。ハイリスク者へのアビガンの投与を。他にもクリスはあるが、錠剤ですので、インフォームドコンセントを取って、高齢者には使っていくと」
と続けました。

「アビガンは現在、治験段階ですが、治験ということでは、一部しか使えない。研究の承認をしてほしい、コロナで」

「そこをやらないと、切迫した状況でどうやって医療を持たせるのかということを考えてしまう。これは厚労省よりも政治判断だと思います。強く提言いたします」

と力を込めました。
まさに正論だと思います。

本庶佑、京都大学特別教授の緊急提言
 

また、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大学特別教授(78)は4月11日朝、日本テレビ系情報番組「ウェークアップ!ぷらす」に生出演し、新型コロナウイルスへの緊急提言をされました。

「多くの人が不安に思っているのは死者が多いこと。死亡率は5%を超える。インフルエンザは0・1%。(新型コロナウイルスは)最後に免疫不全で、あっという間になくなってしまう」

「このタイプのウイルスは、ワクチンができにくい。製薬企業も大規模投資はリターンがないので、尻込みする」

といい、インフルエンザ治療薬「アビガン」や、8日に国内での臨床実験が開始された「トリシズマブ」の導入を提言しました。

アビガン開発者、白木公康名誉教授、早期のアビガン投与を!
 

アビガン開発研究してきた富山大学の白木公康名誉教授(千里金蘭大学副学長)は、開発者という立場上、「自ら発信することにはためらいがある」と話しながらも、中国の論文報告などをもとに、「発症6日までにアビガンを開始すれば、ウイルスの早期消失、咳嗽(せき)の軽減、肺炎の進行や重症化が阻止され、死亡率は激減するはずだ。ウイルス量がピークを過ぎるころから治療を始めても大きな効果は期待できない」と述べました。

白木名誉教授は、「外来の時点で、胸部CTで肺炎を確認して、アビガンを使用して(肺炎の進行を)止めるべきではないか」との考えを示しています。

さらに、「アビガンの早期使用は死亡率を下げる効果だけでなく、若い患者が、間質性肺炎による肺の線維化(スポンジのようになり機能しなくなること)や瘢痕化(炎症によって傷跡が残ること)などの後遺症を残さないことにも意味がある」とする。また、「高齢者が急激な悪化を防ぐためにもアビガンは有用」とみています。

白木先生は、日本医事新報 No.5005 (2020年03月28日発行) P.25  でも緊急提言をされています。https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14305

 
日本ではアビガンの認知度が低い

このようにCOVID-19 問題は、医学的には現時点で最も有効性が高いと考えられるアビガンを積極的に臨床導入することで「治療法がない」という、心理的絶望感をかなり軽減できる可能性が高いと思われます。

臨床治験で時間を取られている間に、医療従事者をはじめとして多くの犠牲者が出てくることが予想されます。

世界的にも日本で開発されたアビガンが大きく注目されており、
「日本の新型コロナウイルス感染が少なく、死者もあまり出ないのは、すでに日本ではアビガンが広く投与されているからだ。」と海外から "誤解" されているとも言われています。

アビガンは前述の富山大学医学部教授の白木公康先生と富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業が共同研究で開発したRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤です。

すでに、中国、ドイツ等、諸外国でCOVID-19 に対する効果が認められ、両国はもちろん、その他世界約50か国から日本に購入要請が出されました。
安倍政権は日本国内での備蓄を含む数百万人分のアビガン輸出を決定し、すでに国内の在庫はわずかとも言われています。

現時点では「国家管理」の名のもとに、われわれ一般開業医には入手ができない状態です。

一般開業医が少なくとも承認済み「抗インフルエンザ薬」としてでも容易に入手可能となり、前線でCOVID-19 と戦っておられるドクターはもちろん、医療従事者に対しても早期投与可能な状態となっていることを切に望みます。

もちろん100%全てに効果のある薬はこの世に存在しませんが、世界的に治療実績のある「アビガン」で多くの方がCOVID-19から救われることが一般的に知れ渡れば、「緊急事態宣言」といった経済をすべてストップさせてしまうような過剰な対応は不要になるでしょう。

「コロナなんて、少し強めのインフルエンザ」というレベルの捉え方で、早急に平常の日常生活に戻れるよう、日本全体の経済疲弊を早期に回避するべきです。

最後に、『FRIDAY』2020年4月24日号での白木先生へのインビュー記事をご紹介します。
「アビガンが承認される際に、米国のFDA(食品医薬品局)と日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)が徹底的に調べて、重篤な副作用がないと結論づけています。ただ、動物実験の際に一部で催奇形性が確認されたので、妊婦や妊娠の可能性がある人は飲まないよう明記されています。エボラやCOVID-19の患者を含め、これまでに1000人以上がアビガンを服用していますが、副作用は尿酸値が上がる程度で、重篤なものは報告されていません。

そもそも、COVID-19は高齢者の重症化が問題視されているのですから、妊娠によるリスクを考慮しなくてもいい高齢者の服用が推奨されてもいいはずです。それなのに、なぜ多くの医療機関で使われないのか、不思議です」

「現在、アビガンはCOVID-19の治療薬として臨床試験中で、承認されるのは最短で7月でしょう。ただ、政府はアビガンを観察研究の形で使用できるようにしていて、病院が院内の倫理委員会で所定の手続きを取っていれば、患者が要望した翌日には飲めると思います。
COVID-19は現在、生死がかかった病気と思われていますが早期発見してアビガンを飲めば、肺炎がそれ以上進行しない病気だという安心感をみなさんに持ってほしいですね」  

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