専門医コラム

科学的データは無いのですが、目に良い食品としてはブルーベリーがよく知られています。

しかし医学的研究で、目の健康に効果的な食品を調べたところ、オリーブオイルが有望だという結果が報告されました。

ポリフェノール豊富な食品に注目

フランスのボルドー大学の研究グループが、眼科の専門誌であるインベスティゲーティブ・オフサルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス誌2015年６月号で報告しました。

研究グループが注目したのは、ポリフェノールを豊富に含む食品と老化に伴う目の病気「加齢黄斑変性」との関係。

加齢黄斑変性とは、目の奥にある網膜の中心部、「黄斑」に異常が出てくる病気です。

研究グループは、73歳以上の963人を対象として追跡調査しています。

450人の加齢黄斑変性にはならなかった人と、187人の初期段階の加齢黄斑変性になった人、40人の進んだ加齢黄斑変性になった人を区別して、食べている物と病気の関係を分析しています。

食べているものは、「毎日食べる」「毎日は食べない」で分類した。

年齢、性別、教育水準、喫煙、BMIなどの条件を織り込んで分析したところ、オリーブオイルを毎日食べていると、進んだ加齢黄斑変性になる危険度が３割程度に低下すると分かりました。初期段階の加齢黄斑変性とは関わりはないという結果でした。

オリーブオイルを毎日取っていると、病気が進行していかない可能性がありそうです。

ほかの食品では同様な効果は確認できませんでした。例えば、フルーツや野菜、赤ワイン、チョコレート、お茶やコーヒーといった食品は特別な効果が確認されませんでした。

加齢黄斑変性という観点から見ると、年を取ってからの目の健康にオリーブオイルは効果的である可能性が高そうですね。