眼科診療
Ophthalmology
Ophthalmology
眼を使う仕事を続けることにより、眼痛・目のかすみ・充血・乾きなどの症状や、頭痛肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、 休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。眼精疲労は大きく分けて4つに分類されます。
涙は目を守るための大切なものです。
ドライアイの要因には様々なものがありますが、多くはパソコンなどの画面を凝視することで瞬きの回数が減り、目の表面に涙がいきわたらなくなることによって起こります(→ドライアイ~「視力の回復する目薬?!」)。
近年スマホの普及でますますドライアイ患者は増えています。
コンタクトレンズを使用する人ほどドライアイになりやすく、定期的に眼科専門医による目の安全点検が必須です(→コンタクトレンズ外来)。
近視・乱視・老眼が進むと眼球の中で、網膜(フィルムにあたる光をとらえる部分)にピントを合わせようとして水晶体(レンズ)の厚さを調整する筋肉(毛様体)の緊張が続きます。
そして実際に視力が低下してくると、目を凝らしたり、首を前に出す姿勢になります。
その結果、目が疲れ、首や肩が凝ったりします。特に老眼は40代半ばから60歳くらいまでの間に急速に進み、この年齢は眼精疲労の患者さんの年齢層のピークと概ね一致するのです。
メガネやコンタクトレンズが合っていないために眼精疲労が起きることも少なくありません。
また左右の視力差が大きく、それを無理に眼鏡で矯正するために起こる不等像視(網膜に写る像の大きさが左右で異なる)では、眼精疲労は避けられず、コンタクトレンズが必要です。
メガネやコンタクトレンズは検査を受けて自分にあったものを処方してもらいましょう。
メガネもコンタクトレンズも本来生物が使用しない非生理的な道具です。
これらの道具が眼精疲労を生じていることも多いのです。
本来、裸眼で遠方が見えることが人間の生物としての正常な状態です。
そこからバランスを崩して視力低下を生じていることが問題ですので、近視手術・乱視手術(ともにレーシックが代表的な治療)、老眼手術(多焦点眼内レンズによる白内障手術)で裸眼視力を改善することが、眼鏡やコンタクトレンズでの眼精疲労を解消する最善な方法です。
まぶた(眼瞼)が垂れ下がってくる病気です。
視野の上の方が見えなくなるので、物を見るときに頭を後ろへ反らす、無意識に顎を突き出すような姿勢になっていることも多く、眼精疲労の原因になります。
眼瞼下垂の多くはシニア層の方に起こっていますが「年だから瞼が弛んできた」という自己判断で放置されていることが多いのです。
ところが30分程度の日帰り手術で治すことができ、治療後には眼精疲労だけでなく、それまで起こっていた辛いドライアイ、肩こりや腰痛、頭痛、不眠症、便秘など様々な全身症状の改善につながることも知られています。某テレビ局などでも取り上げられています(→眼瞼下垂)。
前述のドライアイや眼瞼下垂の原因として、アレルギー体質の問題があります。
目にアレルギー反応を慢性的に生じることで様々な疾患へと発展します。
アレルギー性結膜炎の症状としては、かゆみが最も代表的なものです。
目そのものがかゆく感じる場合もありますが、まぶたやまぶたのふちなどの部分に特にかゆみが現れやすく、掻けばかくほど症状が強くなることが多く、放置する患者さんがいますが、自身で症状を増悪させる悪循環に陥っている場合もあります。
次に多いのはごろごろする異物感というものです。
アレルギーの反応によってまぶたの裏側の結膜に粒状のもり上りができ、このできものが瞬きの際に黒目(角膜)と接触することによって生じます。
小さなゴミが入ったように感じることもあります。
しかし、こうした症状以上に多いのは眼精疲労の自覚です。
かゆみが少ないと、アレルギー性結膜炎を生じていると自覚している患者さんが少ないのが現状です。
本質はカラダを守る免疫力の低下ですからあらゆる病気の原因がアレルギー体質に潜んでいるといえます(→アレルギー科)
かぜやインフルエンザ、更年期障害、自律神経失調症、虫歯や歯周病、耳や鼻の病気などで眼精疲労になることが多く、その他の病気でも眼精疲労が起こり得ます。
こうした場合は原因疾患の治療はもちろんですが、その原因疾患が生じた原因を解消する必要があります。
問題はそうした「原因」に気づかないことが多く、結局同じ症状を繰り返してしまう方が多いことです。
多くの原因は身体を作る材料となる「水」と「食」に起因するため、当院のアレルギー科ではこうした原因に対しての治療を行い、再発を繰り返さないようお手伝いさせていただいております。
当たり前のことですが、目は使えば使うほど疲れます。
社会の情報化が加速度的に進み、目を使う環境はますます過酷になるばかりです。
近年では、シックハウス症候群(住居の建材に含まれる化学物質などの影響による体調不良)と眼精疲労の関係も指摘されています。
「環境」問題は当然ですが目に限らず全身の病気の原因としても重要です。
ストレスが強くなると、その影響は、不安感が異常に強まる、イライラして落ち着かない、眠れないといった精神的なことに現れる一方で、身体に対しても、高血圧、血行不良、胃潰瘍といった多様な病気を引き起こします。
その1つとして、眼精疲労が起こることがあります。
ストレスに対してどれだけ耐えられるか、ここで免疫力の強さが重要となります。
身体を守る免疫力を弱める原因として「5つの病因論」が大切です。
以上のように眼精疲労には4つの大きな原因があり原因がいくつか重なって症状が悪化します。
ただしこれらの1つだけしか該当しないときには、目の疲労は起きても眼精疲労にはあまりなりません。
目の疲労を起こすいくつかの小さな原因が重なり合って目の負担が増え、全身に様々な症状をきたす眼精疲労になります。
ですから、原因と思われる病気を治したのに眼精疲労が治らないことも少なくないのです。
そのようなケースでは、問診や検査で原因と考えられるものを洗い出し、それをひとつひとつ治療・解決していきます。