専門医コラム
2015/09/01
牛乳信仰からの脱却
牛乳を飲むと骨粗しょう症?
世界人口の大部分を占めるアジア、アフリカの人たちは400ミリグラム以下のカルシウム摂取量ですが、骨粗しょう症が多発している事実はありません。骨粗しょう症はむしろカルシウム摂取量が1000ミリグラム前後のヨーロッパ諸国で多発しています。
ヨーグルトのように乳糖がグルコースとガラクトースに分解されている場合には、日本人などでもカルシウムは吸収されますが、ガラクトースが目の水晶体にたまって、若年性の白内障の原因になることも明らかにされています。
カルシウム吸収にはラクターゼが必要
乳糖を分解できない日本人は牛乳を飲んでもカルシウムは吸収できません
牛乳に含まれているカルシウムは乳糖と結合しています。その乳糖を分解するラクターゼという酵素を乳児期以外の日本人はほとんど持っていません。(ラクターゼを持っている人種は世界でも約20%と少数派でほとんどの人種は持っていません。)牛乳のカルシウムは乳糖と結合しているため乳糖を分解できない日本人は牛乳を飲んでもカルシウムは吸収できません。しかしヨーグルトやチーズは加工する過程で乳糖がグルコースとガラクトースに分解されていますので乳糖を分解する酵素を持っていない日本人でもカルシウムを吸収することができます。しかし、今度は乳糖が分解されているために問題が起こります。分解された乳糖の1つのグルコースはそのままエネルギー源となって吸収され問題はないのですが、もう一つのガラクトースはガラクトキナーゼという酵素があればグルコースに変換できエネルギー源として使用できます。しかし、このガラクトキナーゼという酵素も乳児期以外の日本人は持っていませんのでグルコースに変換できません。そこでグルコースに変換できなかったガラクトースは目の水晶体に行き白内障になってしまいます。このことは1970年の科学雑誌『サイエンス』にラットを使った実験が報告されたことで明らかになりました。
世界中から乳製品による白内障の症例が報告
その後、世界中から乳製品による白内障の症例が報告され、1989年に乳製品の摂取と白内障について疫学調査の結果が報告されました。社団法人中央酪農会議から出ている研究報告書にリヒターとデュークのラットでの実験結果が写真付きで紹介されているのですから、酪農業界は当然知っているはずです。最新医学大事典にもヨーグルトとチーズの体への悪影響が書かれているのですから、このことは常識化しているということです。残念ながら医師の中にも、骨粗鬆症に乳製品がいい、と患者に勧める方もいるようです。
日本人に乳製品は必要ありません
乳製品は分解酵素を持っているヨーロッパなどの一部の人たちのもので乳糖やガラクトースを分解する酵素を持っていない日本人に乳製品は必要ありません。分解酵素を持っていないということは簡単に言えば人間が鉄を食べても消化できないのと同じことなのです。牛乳などの乳製品を摂るほとんどの方がカルシウムを摂取する目的で乳製品を摂られていると思います。しかし、カルシウムは摂ることはできないのに肥満やガン、糖尿病などの生活習慣病だけを享受することになり日本人にとって利益は全くありません。
野生動物の中で成人になっても離乳していない動物はいません。大人になっても乳を飲むことは動物として不自然なことです。しかも、同じ人間の乳ではなく、『子牛だけが必要としている牛乳』 •••子牛でさえ、大きくなると牛乳をやめて草を食べるのです!!
乳製品が溢れている現代日本で、全く乳製品を取らない事は簡単ではありません。見渡せば、ヨーグルトやチーズは言うに及ばず、パン、ケーキ、クッキー、多くの洋食、などなど牛乳を使用していない物を探す方が難しいくらいです。気付かれたかと思いますが、昔ながらの和食には牛乳が殆ど使用されていません。完全離脱は難しくても、和食を上手く取り入れることで乳製品を減らすヒントがありますね。
もちろん、眼科疾患についても子どもさんの近視から100歳の方まで、牛乳や乳製品を減らす事が、予防や治療につながると考えます。
万が一、白内障になった場合でも現在では15分程の日帰り白内障手術で視力回復は可能です。
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