専門医コラム
2015/10/21
緑内障は? 甘い飲料を飲むほど、高血圧のリスクは7%増える
過去の研究報告から、甘い飲料を飲むと高血圧になりやすいとあらためて確認されました。
カナダのオンタリオ心臓・脳卒中財団を中心とした研究グループが、2015年8月12日付、栄養学分野の国際誌であるアメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌オンライン版で報告しました。
Jayalath VH et al. Sugar-sweetened beverage consumption and incident hypertension: a systematic review and meta-analysis of prospective cohorts. Am J Clin Nutr. 2015 Aug 12. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26269365
追跡調査からリスクを計算
糖分を含んだ甘い飲料が高血圧の原因となる影響については研究報告も増えてきています。
Study shows replacing one serving of sugary drink per day by water or unsweetened tea or coffee cuts risk of type 2 diabetes
O’Connor L et al. Prospective associations and population impact of sweet beverage intake and type 2 diabetes, and effects of substitutions with alternative beverages. Diabetologia. 2015 May 6. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25944371
今回、研究グループは、果糖を含んだ甘い飲料と高血圧のリスクとの関連性を検証しました。
従来の追跡調査をまとめて分析しました。
12%増える
その結果、甘い飲料を飲むと、高血圧になるリスクは12%増加。量との関係を分析したところ、甘い飲料を毎日1本多く飲むたびに7.2%リスクを増やしていました。
研究グループによると、甘い飲料の背景に、欧米風の食事を食べている人で影響が表れている可能性もあるとのこと。
甘い飲料を飲むか飲まないかでランダムに2つのグループに分けて検証する追試験で決着をつける必要性を研究グループは指摘しています。
前回のコラムでも述べましたが、なかなか食生活をコントロールするのは難しいという方が多いのですが、これまでの研究報告を参考にすると、甘い飲料を頻繁に飲まない方が健康には良いという結果です。
当然とも思われる結果ですが、砂糖が血液を酸化させて、血液ドロドロに繋がる裏付けでもあると考えられ、引いては緑内障を始めとする目の病気が増加している原因ともなっている可能性が示唆されます。