専門医コラム

2015/11/19

ドライアイ外来③

琵琶湖②

 

 「コンタクトレンズ不耐症に対する屈折手術」

ドライアイなどによってコンタクトレンズが装用できない状態を、コンタクトレンズ不耐症といいます。近視が強い場合や度数に左右差がある場合、また職業上の理由などで、コンタクトレンズに頼らざるをえない場合があります。しかし、ドライアイが基礎にある状態では、コンタクトの装用は辛いものがあります。この様な方には、屈折矯正手術が有効な選択肢となる場合があり、コンタクトレンズのトラブルから解放されて満足なさるドライアイの患者様も多くいます。 (屈折矯正手術レーシックについてはコチラ!)

 

ドライアイの分類「涙液分泌減少型」「涙液蒸発過多型」について

ドライアイの病態は様々ですが、一般的には、涙の量が減ってしまう「涙液分泌減少型」、すぐに涙が蒸発して眼が乾いてしまう「涙液蒸発過多型」の二つに分類されます。

涙の量が減ってしまう涙液分泌減少型は、シェーグレン症候群のような自己免疫疾患(膠原病)が基礎にある場合と、病的な要因がなく涙が減ってしまうドライアイがあります。後者は、科学的には証明されていませんが、ストレス、環境因子、またホルモンバランスなどの関与が疑われています。

一方、涙液蒸発過多型の要因としては、パソコン等によるVDT症候群が最近多く見られます。また、コンタクトレンズ装用によって生じるドライアイもこちらに分類されます。その他、まばたきの異常によるものや、重症なものでは薬剤に対する過剰なアレルギー反応で発症するスティーブンス・ジョンソン症候群などが挙げられます。

ドライアイの自覚症状としては、疲れる、眼が重い感じがする、眼が開きづらい、ゴロゴロする、光を見ると眩しい、充血、コンタクトレンズで違和感がでる、など様々です。また、ドライアイの患者様で訴える症状で多いものが眼精疲労です。「ドライアイの症状を訴える約60%は同時に目の疲れを感じ,眼精疲労の患者の約60%はドライアイの症状がある」という調査結果も報告されています。

このようにドライアイの症状には不定愁訴が多く、眼が乾くという症状以外で眼科を受診し、ドライアイが発見される場合も少なくありません。

涙の機能「基礎分泌」と「反射性分泌(刺激性分泌)」について

涙は基本的に、常に目の表面を濡らしている「基礎分泌」と、悲しいときやタマネギを切ったときに出る「反射性分泌(刺激性分泌)」の2種類から成っています。目の表面は基礎分泌の涙によって常に覆われることで保護されています。一方、目にゴミが入ったり、傷による痛みを感じたとき溢れてくる涙が反射性分泌で、どちらも大切な役割を担っています。

 

涙の役割

涙の役割には、1、乾燥の防止、ゴミや埃、アレルギー物質などの洗浄 2、細菌やウイルスなどの殺菌 3、角膜の代謝に必要な栄養補給、などが挙げられます。涙が足りないとその役割が低下して、目が乾いて傷ができたり、アレルギー性結膜炎になりやすかったり、コンタクトレンズでトラブルを起こしやすくなります。

涙の流れ

図1 涙の流れ

 涙の流れは、図1の通り主涙腺(しゅるいせん)から涙の成分が分泌され、まばたきによって、目の表面全体に運ばれます。その後、涙点(上涙点・下涙点)から鼻腔へと排出されます。この時、涙は10%が表面から蒸発して、残りの90%が上涙点・下涙点から流れ出るといわれています。

 図2-1の様に正常な眼は涙の分泌と排出が均等に保たれています。しかし、図2-2の様に涙の分泌が少なくなると、眼の表面が乾燥するドライアイとなります。ドライアイは、眼が疲れる、ごろごろする、充血する、角膜や結膜に傷がつくなどの症状を呈します。

図2-1
図2-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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