専門医コラム
2016/01/05
iOK® (オルソケラトロジー)でドライアイ改善! (その①)
皆様、良い新年を過ごされましたか? 当院の診療始めは名古屋院、長浜院ともに1月7日(木)からですので、宜しくお願い致します。
ドライアイで苦労されている方が年々増加
使い捨てソフトコンタクトレンズを使用している方は、裸眼で生活している人に比較して圧倒的にドライアイの進行が早いようです。レンズの種類にもよりますが、基本的にソフトコンタクトレンズは ”涙を吸収する” という性質があるからです。
使用時間と使用期間が長くなればなるほどドライアイだけでなく、アレルギー性結膜炎、近視の進行にも繋がりやすいのです。
1日15時間程度、10年も使っている場合はほぼ全員が自覚の有無に関わらず、何らかの症状が起っていることが殆どです。
使い終わった使い捨てソフトコンタクトをそのまま机の上などに放置すると、1時間も立たないうちに "乾燥してパリパリ" になった経験をお持ちの方が大勢いることでしょう。目に入れていてレンズが干涸び(ひからび)無いのは、レンズそのものが涙を吸い取っているからです。
水分を吸収する物を入れているとドライアイが悪化するということです。当然と言えば当然ですね。大事な涙を常に奪われてしまうのですから!
iOK® でドライアイが改善!
寝ている間にハードコンタクトレンズを付けて視力矯正を行う iOK® (インディビジュアル オルソケラトロジー)。
私自身の経験や、院内スタッフの経験、また患者さんの意見を総合するとドライアイが改善する効果が得られるようです。医学的統計データとしてはまとめていませんので、あくまで経験則としてお伝え致します。
iOK® でドライアイが改善する理由
その理由は二つ考えられます。
① 視力が改善して良く見えるようになるため、裸眼で生活出来る!
涙を吸い取られるコンタクトレンズを昼間に付ける必要がなくなります。昼間に異物を入れずに生理的な状態で生活が出来るメリットは言うまでもないですね。この利点は、レーシックなど他の視力矯正手術も同様です。
② 寝ている間に炎症を生じている結膜が、黒目(角膜)に直接触れない!
寝ている間は涙が出ません。そのためソフトコンタクトレンズを付けて寝ると、レンズが少ない涙を吸い尽くしてしまうため角膜障害を生じやすくなります。ソフトコンタクトレンズを付けて寝てしまい、翌朝目が痛くて開けられない、という経験者は多いと思います。ソフトコンタクトレンズを付けたまま寝てしまい、酷い状態になって当院を受診される方が後を絶ちません。
ドライアイを生じる一番の問題は血液の酸化だと考えます。酸化した血液は当然全身を巡っているわけですが、多くはアレルギー体質となっている方で、当然アレルギー性結膜炎を起こしていることが大半です。そのため、瞼を閉じて炎症を起こしている結膜が接すると、接触された角膜は具合が悪くなります。
涙を吸い込まないハードコンタクトレンズというある種のバリアーを付けて、炎症を起こしている結膜から ”角膜を保護しながら” 視力矯正を行う iOK® ではドライアイが緩和される効果に繋がっていると考えます。
この②の理由は少し難しいと思いますので、次回、詳しくお伝えしたいと思います。