専門医コラム

2016/03/10

髪を染めずに白髪を治す 漢方薬が有効?

黒ごまを投与したネズミの毛が黒くなったという動物実験がありますが、宜しけばお試しください。ゴマは摂取した方が良い食材と考えられますので、そうでなくても日常的に食べることをお勧めします。

また、炭を食べることも白髪の改善に効果があるとも言われています。(食べる炭については、コチラを参照ください)

東洋医学では、白髪は血が不足している「血虚(けっきょ)」によって生じるとされるので、血を補う漢方薬を用いて治療をしていきます。

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「血」が不足している「血虚」とは

毎月、生理による出血がある女性は、男性より血が不足しがちです。

とくに偏食がちだったり、食生活が単調になりやすい人は、血のもととなる栄養がとれず、血が不足しやすいといわれています。

このように血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいます。

また、妊娠・出産は、血をたくさん消耗する行為なので、産後はどうしても血虚になりがちです。このほか、月経過多などによって血虚になる場合もあります。

血虚で出やすい不調とトラブル

貧血とまではいかなくても、

・顔色が悪い

・肌が荒れやすい

・髪や爪が傷みやすい

・こむら返りをよく起こす

・月経量は少なく、ピンク色の粘膜のようなかたまりが混じる

・動悸

などの症状のいくつかがあれば、漢方では「血虚」であると考えます。

また、血は、からだの各所に栄養とうるおいを与えるばかりでなく「心の栄養源」でもあると考えられています。

・眠りが浅く夢をよく見る

・驚きやすい

・不安感    

など精神的な症状もあらわれやすくなります。

血には、ホルモンの働きの一部も含まれているため、血虚を放っておくと、子宮内膜が薄くなって経血量が減ったり、生理の期間が短くなるなどの問題が起こりやすくなり、不妊に発展するおそれもあります。血虚の兆候が少しでもあれば、ふだんの生活の中で、できるだけ血を補う工夫をしていくことが大切です。

血虚を改善する漢方薬

血虚と診断されると当院では患者さんへ以下のような処方をしております。

四物湯(しもつとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)など

腎虚

もう一つ、漢方で白髪は「腎」が弱まったときに生じるという考え方もあります。腎とは生殖や成長、老化に関わる機能を現したもので、この腎が低下すると髪が抜けたり、白髪が増えたりする、すなわち加齢現象が起こってくるとされています(西洋医学の腎臓とは意味が異なります)。腎の機能が低下することを「腎虚(じんきょ)」といいます。

「腎」は骨や脳、耳、生殖能力、髪、排泄能力などをつかさどっているため、腎気が不足する「腎虚」の状態になると、これらの機能がうまくはたらかなくなります。

このため、骨の異常や腰痛、思考力の低下、物忘れ、耳鳴りや聴力低下、生殖能力低下、排尿・排便異常、白髪、脱毛などは、腎虚の場合に現れやすい症状とされています。

「虚」とは不足しているという意味

「腎」の精気である腎気は、さらに2つに分けられます。

体を温めたり、機能させたりするエネルギーの大元である「腎陽」と、体をうるおわせ、栄養する腎陰」です。

腎気そのものが充実しているだけでなく、この2つのバランスも大切です。

腎陰に比べて腎陽が不足している状態を「腎陽虚」といい、腎陽に比べて腎陰が不足している状態を「腎陰虚」といいます。

腎陽虚は、エネルギーが不足し、足腰がだるい、下半身に力がない、下半身が冷える、夜中にトイレに起きる、おしっこの出やキレが悪い、といった症状が現れやすくなります。

腎陰虚は、うるおいや栄養が不足し、のぼせやすい、目が疲れやすい、目がかすむ、といった症状が現れやすくなります。白内障の出現にも関わっているとされています。

漢方薬は、足りないものを補い、多すぎるものを減らすという「中庸」の考え方で処方設計されています。

腎陽虚」で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿の量が少ない、または多い、口がかわく、といった状態の方の、排尿困難、頻尿、加齢によるかすみ目などには「八味地黄丸(はちみじおうがん)」を用います。

むくみなどもある「腎陽虚」で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿の量が少ない、または多い、口がかわく、といった状態の方の、四肢痛、腰痛、しびれ、加齢によるかすみ目などには「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」を用います。

腎陰虚」で、疲れやすくて、尿の量が少ない、または多い、口がかわく、といった状態の方の、排尿困難、頻尿、むくみなどには「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」を用います。

こうした漢方薬は、もちろん白髪を治すための保険診療処方はできませんが、身体の症状治療に対しての処方は保険診療の対象となります。気になる症状をお持ちの方は是非当院へ御相談ください!

髪をはじめとした老化現象の個人差の原因

髪の毛の変化と血虚、腎虚が関係していることは東洋医学の数千年の歴史からまず間違いないと考えられます。上記のような漢方薬で改善が期待できるとしても、そのようになってきた ”生活習慣” を改善すべきであることは言うまでもありません。

安易にヘアカラー等を使用して身体に経皮毒を与えてしまうより、体質改善で白髪を少なくすることが引いては白内障をはじめとした眼疾患、成人病の予防につながることは過去のコラムでも述べてきた通りです!

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