専門医コラム
2016/04/07
緑内障の頻度と重金属との関係
体内にわずかに含まれる金属が、健康状態に影響することがあります。韓国の対象者について、金属の量と目の病気の関係を調べたところ、緑内障の頻度に金属との関連が発見されました。
研究班は、韓国の全国調査に参加した19歳以上の人2,680人について、血液または尿に含まれる金属の量と、その時点で眼の病気がある割合の関連を調べました。
名古屋市でも古い水銀血圧計や体温計の回収もありました。
マンガンが多いと緑内障が少なく、水銀が多いと緑内障が多い
データの解析から次の結果が得られました。
潜在的交絡因子を調整したのち、血中マンガンレベルは緑内障の診断のオッズと負に関連した(オッズ比0.44、95%信頼区間0.21-0.92)。血中水銀レベルは緑内障の有病率と正に関連した(オッズ比1.01、95%信頼区間1.00-1.03)。
血液中にマンガンが多い人では緑内障が少なく、水銀が多い人では緑内障が多い傾向が見られました。
何故、体内に水銀が蓄積されていくのか、一つは飲料水の問題があると考えます。(→ 水銀に関する新聞記事を参照ください)
研究班は、「微量金属元素が緑内障の発症において何らかの役割を担うことをより確かにするためには、前向き研究によってそうした微量金属元素の存在が緑内障の発症率を増加させることを確かめる必要があるだろう」と述べています。
研究班が述べるように、この研究の方法では、マンガンや水銀の量が緑内障の原因だったのか、緑内障の結果として変化していたのか、それらに共通のほかの原因があったのかは区別できません。地域や生活習慣などとの関係についても検討することで、何かの因果関係が浮かび上がってくるかもしれません。
しかしながら、当院でバイオレゾナンスの手法を用いて、視神経あたりを確認すると緑内障患者さんでは水銀の波動が強く出ることが多いという実感を持っていました。上記の研究結果は、科学的に私が捉えていた ”緑内障水銀説” を支持する結果です。当院では水銀を体外へ排出する目的のバイオレゾナンス医学会で作成した漢方薬を処方しております。
水銀の体内蓄積は、緑内障だけではなく当然他の臓器にも影響を及ぼしていると考えられますので、水銀を体外へ排出することは全身状態の改善にも繋がると考えます。
◆参照文献
Association Between Body Levels of Trace Metals and Glaucoma Prevalence.
JAMA Ophthalmol. 2015 Aug 6
[PMID: 26248281 ]