専門医コラム

2017/12/07

ICL(アイシーエル、後房型眼内コンタクトレンズ)のメリット、利点

ICLは眼内コンタクトレンズ(フェイキックIOL)の後房型

ICL(アイシーエル)とはどのような治療でしょう?

ICLは実は商品の名前で、手術や治療の名称ではありません。

ICLは「Implantable Collamer Lens」の略です。「Implantable Contact Lens」と呼ばれることもあります。 日本語にすると、前者は「移植できるコラマーで出来た(眼内)レンズ」、後者は「移植できるコンタクトレンズ」という意味となりますね。

「Implantable Contact Lens」が多くの方に分かりやすい言葉だと思います。いずれにせよICLは簡単に言うと、目の中に「小さなソフトコンタクトレンズ」のようなものを移植・固定する手術に使用する、「コンタクトレンズ」の名称です。

ICLを含む、眼内コンタクトレンズ(フェイキックIOL)には眼内の固定位置によって前房型と後房型に分かれます。

ICLは後房型のレンズです。

この治療のメリットは、何より 「レーシックが不適応の強度近視でも手術が可能」 という点です。

これまではレーシックが出来ず、近視での視力低下を治したくても治せなかった方の視力回復が安全に出来るようになったのです。

レーシックと比較しても、多くは術後の視力が格段によくなり、乱視も対応可能なため、見え方の質も良くなります。具体的な方法は、以下をご参照ください。

https://ogurikinshi-lasik.com/expense/icl/

角膜が薄くレーシックが受けられない人でも条件を満たせば安全に手術可能

ICLは眼球の中に薄いレンズを入れる術式

目の中には、角膜と水晶体の間に、俗に黒目と呼ばれる「虹彩(こうさい)」というドーナツ状の薄い膜があります。目の中に入る光の量を調節する部分ですが、後房型有水晶体眼内レンズ(日本ではICLというレンズが厚生労働省の医療用具認可を受けています)では、この虹彩の裏側に、柔らかいコラマーと言う素材で作られた薄くて小さなレンズを移植します。

通常のコンタクトレンズの場合、角膜の上にレンズを乗せるため異物感が生じることがありますが、ICLではそのような感覚が起こりません。手術は15~20分ほどで終わり、角膜に3ミリほどの切り傷ができますが1週間ほどでほぼ跡も残らずに視力も安定します。

「目の中にレンズを入れる」と言うと、何か恐ろしい手術に思えるでしょうが、白内障の手術は一般的にも良く知られるようになっています。白内障が日帰りで10分足らずの短時間手術で視力回復可能なことは多くの方が知っていることでしょう。

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き「眼内レンズ」を入れることで視力を回復させます。1992年に眼内レンズに保険が適用されてから手術の数が急増し、現在日本では年間100万人以上が手術を受けています。

ICLなどのフェイキックIOL はこの白内障術の変法とお考えください。この手術は認定を取った術者しか行いませんが、白内障を多く手掛けている眼科医にとっては、白内障よりも技術取得が容易で、更に危険性が低い安全な手術です。

https://ogurikinshi-lasik.com/lasik_column/%E5%BE%8C%E6%88%BF%E5%9E%8B%E7%9C%BC%E5%86%85%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%80%81icl%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%AB/

コンタクトレンズの方が手術より危険!?

議論のある問題ですが、小栗は使い捨てコンタクトレンズを毎日10年以上使用するより、レーシック、ICL のほうが、患者さんの数十年後の将来を考えると遥かに安全な治療だと考えています。

メガネで生活されることが、眼球によっては一番安全なことは間違いありません。しかし、「視力の質」がメガネでは制限されます。また、風呂場でメガネをすることが難しいように、温度差に対してくもりの問題等、メガネの視力の質にかかわる問題は上げていくとかなりの数に上ります。

メガネや、使い捨てコンタクトレンズよりも、近視手術は良い視力を得られることが多いのです。

治療費用として、良く参考にされるのは多くの方が使用している使い捨てコンタクトレンズです。

一日使い捨てタイプの場合、コンタクトレンズ代は平均して1か月1箱(片眼)2,000~3,000円程度となります。月に1箱(片眼)2,500円程度がコンタクトレンズ費用だとすると、両眼で

年間で60,000円

10年間で600,000円

20歳から60歳までの40年間では240万円

という計算になります。

金額だけでなく、毎日のコンタクトの付け外しのケアの手間や、購入の手間、結膜炎を起こした際はコンタクトレンズは着けられないなどの細かな問題は多々存在します。

意外と知られていませんが、使い捨てコンタクトレンズを着けてゴーグルを使用してプールや海に入る方が多いですね。しかし、使い捨てコンタクトレンズのパッケージに必ず入っている「注意事項」には、そのような使い方をしないように記載されています。実際、夏場にコンタクトを着けてプールや海に入ったためにトラブルを生じて眼科を受診される方が後を絶ちません

手間がかからず、朝起きたら一日快適な視力を安全に確保できる視力回復コンタクトレンズのほうが皆さんの快適な人生のお役に立つことはいうまでもありません

そしてもっとも大事なことは「安全性」

使い捨てコンタクトレンズは、眼の異物であり、その危険性は10年以上使用するのであれば手術のほうが遥かに安全性も高いと考えられます。

何故なら、使い捨てコンタクトレンズは空気を通すといわれているビニールであり、ビニールを眼に何十年も貼り付けて生活して安全なはずがないからです。

そもそも地球上の哺乳類で、眼にビニールを付けて生活するのは人間だけです。ある意味、数十年にわたる人体実験をしているともいえるのではないでしょうか?

ICLは10年以上の使い捨てコンタクトレンズ使用よりも、安全で便利、経済性にも優れる

 

老眼になってもICLは大丈夫?

ICLのレンズ自体は長期に渡って眼内に固定されていても問題は起こしません。

しかし人間の身体は老化とともに変化して行きます。

目については、どなたでも必ず「老眼」が起こります。老眼は、すなわち初期の白内障とお考え下さい。誰でも起こるのですが、人によって若くして生じる方、比較的高齢になっても老眼進行が軽い方、人それぞれ進行の状態は異なります。

ICLで近視が治っている場合、遠方は良く見えても近くが見にくくなるこの「老眼」が40歳半ば以降の問題となって現れます。

老眼の出現初期は、手元用のメガネ、「リーディング・グラス」や「老眼鏡」で近くの視力低下を補助します。しかし、「老眼=白内障」が進行するとやがて遠くも見づらくなっていきます(遠方視力低下)。

白内障が進行した場合は、手術による対応が必要です。

老眼は白内障手術で治すことが現在の標準的治療となっています。

遠近両用眼内レンズが使用できるようになっているため、「近視」、「遠視」、「老眼」、「乱視」まで、ご自身に最善の遠近両用眼内レンズを選択されると10分足らずの手術で一度に視力の問題は解決することが可能です。

この白内障手術の際に、レーシックを行った方では、眼内レンズの度数を決める際に誤差を生じやすいとされてきました。

当院を含め、レーシック後の白内障手術を手掛けている施設では、上記の問題はおおむね解決されていますが、全く誤差を生じないというわけではありません。

これがレーシック後の白内障手術の問題として残っている今後の課題ではあります。

 

白内障手術時に眼内コンタクトはどうなる?

しかし、若いころに行ったICL(眼内コンタクトレンズ)は白内障手術の際にはどうするのでしょうか?

ICLをはじめとした眼内コンタクトレンズは、入れ替えが可能です。と言うことは、比較的簡単に摘出することもできるのです。

そのため白内障手術時には、ICLの摘出および白内障手術を同時に行うことが可能です。

「近視はICLで治っても、老眼になるとICLがデメリットとなるのでは・・・。」と心配される方がいますが、全く問題ありません。

ICLの利点は、将来の白内障の治療の際にも殆ど問題を起こさないという点です。

そのため、レーシックの術後以上に、ICL術後の白内障手術は、眼内レンズ度数計算の問題を生じにくいのです。

将来の白内障手術時も、ICLは殆ど問題を残さない

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