専門医コラム

2017/12/31

糖尿病網膜症 年末年始、食に注意!

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつです。日本では成人の失明原因の上位に入っています。緑内障、加齢黄斑変性症とともに3大失明疾患のひとつでもあります。

(眼球の中の”網膜”に糖尿病では異状が現れます)

糖尿病網膜症の症状

糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害を受け、視力が低下する病気です。網膜とは、目の中に入ってきた光を刺激として受け取り、脳への視神経に伝達する組織で、カメラでいうとフィルムのはたらきをしています。

糖尿病網膜症は、定期的な検診と早期の治療を行えば病気の進行を抑えることができますが、実際には日本の中途失明原因の代表的な病気です。

糖尿病網膜症の症状は、病気の進行とともに変化します。

初期の段階では、まだ自覚症状がみられません。しかし、目の中の血管の状態をみると、小さな出血など、少しずつ異常があらわれています。

中期になると、視界がかすむなどの症状が感じられます。このとき目の中で、血管がつまるなどの障害が起きています。

末期になると、視力低下や飛蚊症が起こり、さらには失明に至ることもあります。

糖尿病網膜症はどのように起こるのか?

網膜は光や色をキャッチする神経細胞が敷きつめられた膜です。先に述べたようにカメラのフイルムに相当します。網膜には無数の細かい血管が張り巡らされています。

血糖が高い状態が長く続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、変形したりつまったりします。血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸欠状態に陥ります。その結果として新しい血管(新生血管)を生やして酸素不足を補おうとします。ところが新生血管はもろいために容易に出血を起こします。

出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。

糖尿病網膜症は、糖尿病になってから数年から10年以上経過して発症するといわれています。自覚症状はかなり進行するまで自覚症状がない場合もあります。まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。糖尿病の人は目の症状がなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けることをお奨めします!

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糖尿病の全身合併症は先ず目に出る!

糖尿病網膜症は、糖尿病の全身に生じる合併症としては堂々の第1位です。日本人の失明原因では、緑内障に続いて多く、患ってしまえば失明しかねない一大事となります。

高血圧、高血糖、脂質異常、どれもこれも、全身の血管の機能を低下させます。血管は、末梢に行けば行くほどどんどん細くなりますが、高血糖が続くと血液がドロドロの状況になるため、目詰まりを起こした微細血管が破壊され、それより先に血液が行かなくなります。高血圧は血管壁に負担をかけることでこれを加速し、血中の脂質異常も高血糖と同様に血流を阻害するのです。

糖尿病による微細血管の破壊が目で起きると、視細胞は虚血(血流の減少)に陥ってしまうのを防ごうと、何とか新しい血管を新生して対応しようとします。ところが、そこでできた血管はもろく、異常な血管であるため、血液が漏れ出てしまいます。視力障害に陥るのは、異常血管からの出血や、漏れ出た細胞外液で網膜中心の黄斑部に浮腫(水膨れ)が生じるためです。こうしたメカニズムで視力障害を引き起こすのが、糖尿病性網膜症なのです。

これは目だけに起るのではありません。当然、全身全ての血管を障害します。糖尿病は、”全身を腐らせる病気” と言っても過言ではありません。目の中に出血が始まっても、最初は視力に影響しない為、『目が腐って行く』自覚がありません。視力低下の自覚が出る頃には、既に手遅れとなっている場合も多いのです。

糖尿病にならなければ糖尿病網膜症は生じません!

当然ですが、糖尿病網膜症の原因は「糖尿病」になることそのものです。

ですから糖尿病にならなければ網膜症は起こりません。

どうしたら糖尿病にならずに済むのか。コツをつかめば簡単なことです。過去のコラムでもいろいろ述べていますが、以下を是非ご参照ください!

糖尿病網膜症 一般治療

糖尿病網膜症は、発症してしまうと完全に治すことが困難な病気です。目の中の光を捉える網膜(カメラのフイルムに例えられることが多いです)があたかも食べ物が腐るかのように壊れて行くからです。

単純性網膜症の段階ですと、全身的な糖尿病管理をすることで網膜に生じている出血が改善すれば大きな後遺障害を残さずに治ることが出来ます。

しかし、前増殖網膜症の段階に入ると、既に網膜が「腐り始めた」ために正常な状態の戻ることは困難とされています。

一般的な保険診療での治療は症状の悪化を防ぐために行われます。

糖尿病網膜症の進行段階

初期: 単純糖尿病網膜症

糖尿病自体の治療と同様、血糖(血液中の糖分量)をコントロールすることが重要です。身体のコントロールの改善で網膜症も改善できる時期です。

中期: 前増殖糖尿病網膜症

この段階では血糖コントロールを行っても、網膜症単独で悪化が進む時期です。網膜の傷んだ部分に「新生血管」と呼ばれる脆い血管が出現します。この新生血管は破れやすく、硝子体出血と言う大きな出血を眼内に生じると突然視力低下を起こします(増殖糖尿病網膜症)。前増殖糖尿病網膜症の段階で食い止め、新生血管の発生を防ぐために、レーザー光線で眼底を焼く「レーザー光凝固術」が行われます。この段階で網膜症を抑えることが出来れば、生活に支障のないレベルの視力を残せることが多いです。

末期: 増殖糖尿病網膜症

眼内に新生血管の破れから突然硝子体出血を生じて失明に近い状態になることがあります。さらに網膜症が進行すると難治性の網膜剥離を生じ、視力の温存が難しくなります。そのための硝子体手術と呼ばれる外科治療などが行われます。

治療費用

「レーザー光凝固術」は網膜症の程度に寄りますが、網膜に過度の負担がかからないよう通常は複数回に分けて照射します。治療費用は3割負担で54300円、1割負担で18100円です。この費用に、通常の診察費用が必要となります。初回のみこの費用がかかり、2回目以降は診察費用のみのご負担となります(再診対応で、院内処方の薬を入れても3割負担の方でも2,000円以内位で済むことが多いです)。

「硝子体手術」の場合は、1割負担で約5万円、3割負担で15万円程度とお考えください。一般的には術後の再出血等の管理、糖尿病そのものの全身管理も含めて入院加療をお勧めします。

「レーザー光凝固術」、「硝子体手術」ともに保険診療の中では比較的高額です。幸いどちらの治療も手術給付金の出る医療保険あるいは生命保険に入っている方は給付金が出ることが多く、保険を活用されると良いでしょう。ご加入の保険会社にご相談ください。治療件数としては「レーザー光凝固術」が多く、手術名は「K276網膜光凝固術 2その他特殊なもの(一連につき)」です。この手術名で生命保険会社にお尋ねいただき、指定の診断書を当院の受付に出してください。

治療のタイミング

糖尿病網膜症は、自覚症状が出てからでは治療をしても患者さんの期待に応えられない場合が多くなります

糖尿病の診断を受けた人は、自覚症状がなくても、眼科を受診して目の健康状態を定期的に調べる必要があります

しかし重要なのは糖尿病にならないこと、なってしまったら早期に生活習慣改善を行うことです。

こと血糖値だけを重要視して、血糖降下剤を飲んで数値が下がっていると安心してしまう方が大勢おられます。しかし、薬で血糖を下げていても糖尿病になった生活習慣を変えなければやがては薬の合併症で次のに新たな病気に繋がってしまうのです。

「糖尿病は治らない」と思っている方が多いようです。しかし、病気になった原因を解決すれば完治は可能と考えます。問題は、糖尿病は関知できても、臓器不全に陥った全身合併症は後遺症として残ってしまいます。目に関していうと、増殖糖尿病網膜症に至っていますと、腐り落ちて失った視細胞、一旦死んだ視細胞は回復しません。そのため視力の回復は期待できなくなります。

普段から生活習慣で糖尿病にならないように注意することが最善ですが、仮に糖尿病を発症した場合は、そうなった原因を改善して下さい。「早期発見、早期治療」が重要なことは言うまでもありません。

糖尿病網膜症 当院での治療

保険診療以外の当院での治療

桑の葉の有効性も、糖尿病診断を受けた方は是非生活に取り入れられることをお勧めします!

当院隣接のコンタクトレンズ・オピュールで販売している医療機関専用商品「桑葉青汁おいしい緑-D」

桑の葉に大麦の若葉と有胞子乳酸菌を加えた、おいしく飲みやすい細粒タイプの栄養補助食品です。お子様からご年配の方まで、野菜不足を気にする皆様におすすめします。更には、血糖スパイクを抑える効果から、糖尿病、高血圧の方にも効果が期待できるのです。

桑は養蚕のため日本各地で植栽されてきた植物ですが、古くは鎌倉時代から糖尿病予防効果がうたわれてきた素材です。研究の成果から、桑葉には糖の消化酵素に対する強い阻害活性があり、食後の血糖値上昇を穏やかにする効果が期待できることがわかり、糖尿病の予防につながるとして注目されています。

糖尿病の食管理について

食管理というとカロリー計算に目が向きがちです。しかし、野生動物は糖尿病になりません糖尿病になるのは人間と、人間に餌をもらうペットや家畜だけです。

どれだけ食べても病気にならない方法があるのです。

基本的に『ナチュラルハイジーン』という考え方を私は推奨しています。この考えを知った上で、ご自身の生活習慣に取り入れていただきたいと思います。

参考までに食物消化が、我々の消化器にどれだけ負担をかけているかも以下を参考にしてください。

現代生活から全く離れることは難しいでしょう。例えば、炭水化物や動物性蛋白、乳製品を摂取することで体内に取り込む『不用物』を出来るだけ吸収せず、体外に排出する方法として『食用炭』の活用は有効です。

極論すれば、農薬や化学肥料が使われず遺伝子組換え種子を使っていない果物と野菜だけを食べていれば、糖尿病にはならないでしょう。糖尿病どころか、その他の病気にも殆どならないでしょうね。

何故なら私たちの身体には免疫力が備わっているからです。この身体の防衛部隊、免疫力を落としてしまう食習慣が、「炭水化物」、「動物性蛋白質」、「乳製品」の常用なのでしょう!

敢えて言えば、「主食は野菜と果物」とし、炭水化物、動物性蛋白質、乳製品は毎日は摂らないようにする、できるだけ週2回以内に抑えることを目標にしてください。意外とこれくらいの食管理でしたら多くの方にとって対応可能なのではないでしょうか?

また、どうしても空腹に耐えられなくなった場合、何らかの果物だけを食べることをお勧めいたします

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