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専門医コラム
2018/01/03
糖尿病の原因治療 有害物質除去
増加し続ける糖尿病
糖尿病が疑われる成人の推計が2016年に1,000万人に上ったことが、厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」で報告されています。前回(2012年)調査より50万人増え、調査を開始してから最多となったとのこと。
発症に至らない糖尿病予備群も1,000万人とのことで、日本国内だけで2,000万人もの糖尿病関連患者さんがいるのです。
糖尿病網膜症が眼科の失明疾患の上位になっていることは、この数字からすると必然とも言えます。
何故、これほど多くの方が糖尿病になるのか？
食事制限が続けられないからに他なりません。
好きなものを制限されることが辛いのです。
しかし、食べているものが糖尿病発症に繋がっていることは周知の事実です。
どうしても食べ物を制限できない方に、前回のコラムで比較的簡単に自宅で対応できる糖尿病対策、3種の神器とも言える、蒸留水、炭、桑の葉についてご紹介しました。
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糖尿病の原因治療 有害物質除去
前回お伝えした糖尿病の原因と考えられる膵臓への水銀をはじめとした重金属の蓄積。今回は身体に蓄積して除去が難しいとされる重金属や有害物質の除去方法について説明させていただきます。
重金属除去方法
基本的に保険診療治療で可能な方法はありません。保険診療では血糖値を下げるのみです。原因治療を目指す以下の方法は全て保険診療対象外となります。
① 蒸留水
ハングリーウオーターとも呼ばれる不純物を全く含まない水です。
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② サプリメント
炭には様々な物質を吸着して体外へ排出する働きが認めれれています。当院では1日あたり130円で可能なデトックスサプリメント、チャコーシェルや炭パウダーをご紹介しています。
毒素吸着薬 クレメジン®
また、アンチメタルと言う漢方煎じ薬（有害金属解毒湯）もご提案しています。この漢方薬は錠剤となっていますのでお子様でも内服しやすく、点滴治療のように針を刺す必要もありません。
蒸留水とサプリメントの2方法は自宅で対応可能な方法でしたね。
次にご紹介する2方法は、点滴治療となるため通院が必要となります。
③ 高濃度ビタミンC点滴 ④ キレーション点滴
糖尿病の原因治療 有害物質除去（点滴療法）
体質改善に活用される方が当院では多いのですが、世界的には「副作用の無いガン治療」としても知られています。以下のように高濃度ビタミンCの抗酸化作用によりアンチエイジング効果を目的に使用される方も多いのです。
抗酸化作用に加えて、重金属を除去効果が膵臓の「お掃除」作用に繋がりインスリン分泌改善効果が期待されます。
アンチエイジング Anti-aging Medecine その③（超高濃度ビタミンC点滴）
色々な意味での体内の「サビ落とし」が期待できるのがこの点滴療法です。
④ キレーション点滴
EDTA（エチレンジアミン四酢酸）と呼ばれる合成アミノ酸が金属イオンをキール（ギリシャ語でカニのはさみ）のように掴みとり結合する性質があります。この合成アミノ酸を利用して金属イオンを体外に除去します。「キール」という言葉から、「キレーション」という名前がついたと言われています。
実際のキレーション点滴薬にはEDTA にビタミンやミネラルが加わります。
EDTAキレーション治療の効果
有害金属を取り除きます。また抗酸化作用により血管を若返らせ、細胞を活性化する効果もあります。抗加齢医学の領域でキレーション治療が注目されています。動脈硬化治療効果や有害金属除去による様々な変性疾患の予防と治療効果が期待できるためです。
2種類のEDTAキレーション
EDTAキレーションには、カルシウム（Ca）EDTAとマグネシウム（Mg）EDTAの２種類があります。
Ca-EDTAは10分ほどで点滴しても比較的安全です。しかし動脈硬化に対する治療効果は確認されていません。比較的若く、動脈硬化治療の必要のない方が良い適応となります。
Mg-EDTAには動脈硬化改善作用と金属排泄促進作用の二つの作用があります。しかし急速に点滴すると血液中のカルシウムが急速に低下する弊害があります。不整脈などの副作用を合併する可能性があることから、約90分かけてゆっくりと点滴を行います。動脈硬化治療を目的とする場合にはMg-EDTA が適応です。
重金属の問題
水銀、鉛、カドミウム、などの重金属類は神経毒として知られています。こうした金属が体内に増えると視神経障害や末梢神経障害に繋がる可能性があります。北欧からの研究で、体内水銀蓄積がふえると心臓疾患のリスクが高まると報告もされています。ニッケルは皮膚炎などアレルギー症状に繋がりやすいと言われます。アルミニウムはアルツハイマー病の原因との可能性も示唆されています。金属の生体への障害は研究途上です。残念ながら、今後、様々な現象が報告されると考えます。
歴史を遡ると、産業革命以来人類の文明は急速に進歩しました。しかしその代償として、石炭や石油という化石燃料使用の弊害が生じているのです。この化石燃料には、鉛、カドミウム、アルミニウム、ニッケルなどの金属が不純物として含まれており、燃焼した際に空気中に放出されます。
大気汚染の原因です。
汚染された大気中にはこうした金属が浮遊しています。汚染大気下の環境に住んでいる人は呼吸により有害金属を体内に取り込んでしまいます。また大気中の金属は雨となって地上や海に戻り植物や魚介類の体内に蓄積を起こします。こうした食品を食べることでも人間は重金属を体内に取り込んでしまいます。マグロやサメなど食物連鎖の頂点にいる魚ほど水銀などの有害金属を蓄積しています。日本人が西洋人に比べて毛髪分析で多くの水銀が検出される理由として、マグロなどの魚介類摂取量の多さが指摘されています。
EDTAキレーションに有効な疾患
以下のような疾患に効果が期待されます。
- 細胞の老化防止
- 高血圧の改善
- 脳梗塞・心筋梗塞・その他の心臓疾患の改善
- 変形性関節症の改善
- 血管の硬化や細胞の石灰化の防止
- 骨粗鬆症の改善
- 神経障害・記憶力減退・老人性痴呆予防と改善
- 黄斑変性症・緑内障などの眼疾患
重金属の影響で膵臓が機能低下をしている糖尿病の方では、根治治療としてキレーション点滴が大きな効果につながる可能性があります。
少しくらい血糖値が高くても大丈夫？
私が高濃度ビタミンC点滴指導を受けた、三重県、桑員クリニック院長、橋爪勝医師は、その著書で、「糖尿病は決して怖い病気ではない、少しくらい血糖値が高くても大丈夫」と述べています。私がとてもお世話になり、勉強させていただいた先生で、その受け売りのようで恐縮ですが、橋爪先生の糖尿病治療医としてのお考えをご紹介したいと思います。
多少血糖値が高くても大丈夫
橋爪先生は、『血糖値が高い＝糖尿病」、「糖尿病＝恐ろしい病気」というイメージが植えつけられているために、「血糖値が高い → すぐに血糖値を基準値以内にしないといけない」との連鎖反応から、血糖値が少しでも高いと血糖を下げる薬の処方を患者さんから希望される数多い経験をされているそうです。
しかし、この固定観念が治せる糖尿病が治らなくなる原因であると捉えられています。
血糖値を目安にすることはもちろん大切です。しかし余りに数値に囚われすぎることは問題です。数値だけを厳密に気にしていると、少しでのその基準を超えた場合、すべて “病気” にされてしまいますね。
ところが、我々の身体は驚くほど複雑であり、繊細にできているのです。様々な臓器やホルモンなどが複雑な仕事をしていて、やはり驚くほど絶妙な体内でのバランスを取っています。環境や精神状態も身体の状態に影響していることは多くの方が感覚的に理解できることと思います。
この点を考えると、「日本人に本当の糖尿病患者は実はそれほど多くないのではないか」とも橋爪先生は述べておられます。患者さんが血糖数値が高いと簡単に薬の処方を希望されるために、保険診療で処方する場合は「糖尿病」という病名をつけている医療機関も少なくないものと思われます。そのため糖尿病という診断が統計上は多くなっている可能性があります。
糖尿病網膜症 糖尿病治療の注意点
糖尿病網膜症の治療のためには、その基礎疾患である糖尿病の治療が不可欠です。糖尿病になったから「3大合併症の一つである糖尿病網膜症」が起こるわけですから当然ですよね。
しかし、血糖値という数字ばかりに囚われて糖尿病の本質を理解していないと、薬に頼るだけの治療ではむしろ3大疾患を起こしてしまいます。多少、血糖が高めなだけであれば薬を使わない方が３大合併症を起こさない事も知られています。
薬の使い方次第では、その薬で糖尿病網膜症を引き起こしてしまう場合があるのです。
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