専門医コラム

2018/01/04

糖尿病治療の真の問題

糖尿病治療の真の問題

 薬で、弱った膵臓にムチを打ち疲弊させてしまう

 薬でインスリンを無理やり増やすことで、体内の中性脂肪、過酸化脂質を増やしてしまう

 治療により低血糖を引き遅してしまう

 治療によって病気をつくってしまう

血糖値を下げる治療を行うことで、実際は膵臓をより一層疲弊させてしまう、低血糖を起こす、中性脂肪を増やし過酸化脂質へと変化する、体内ではこのような反応が起こっているかもしれません

その結果、3大合併症に繋がり、治療をすればするほど改善が難しくなっていく、内科的治療で患者さんにもよく理解をしておいていただきたい点です。糖尿病コントロールを、血糖値だけにこだわり糖尿病網膜症を引き起こしてほしくはありません。糖尿病網膜症は失明原因の上位疾患だからです。一度、糖尿病網膜症で視力を失うと、回復はまず期待できません。

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中性脂肪、過酸化脂質の増加の恐ろしさ

薬で無理やりインスリンを分泌させると膵臓や細胞を疲弊させるだけではありせん。

炭水化物などをたくさん摂取すると、血糖値が上がることは理解いただいていると思います。それを下げようとして膵臓はインスリンを分泌します。インスリンが多量に分泌されると、それに応じた大量のブドウ糖が身体のあちこちの細胞に取り込まれることになります。ここで、必要以上に細胞にブドウ糖を「押し込める」ことは、細胞にとっては大きな負担となるのです。細胞のダメージ、引いては3大合併症に繋がります。

細胞内に取り込まれたブドウ糖はエネルギーや体温、コレステロールの材料として使われます。しかし、取り込まれた大量のブドウ糖が使い切れないと、体内に残り残留してしまいます。

消費しきれずに体内にたまってしまったブドウ糖はどうなるのでしょうか?

残ったブドウ糖はインスリンを使って中性脂肪に置き換えられます。そして脂肪細胞へためこまれます。この先が問題です。

余ったブドウ糖を中性脂肪に替えて脂肪細胞の中にとどめておくのも限界があります。脂肪細胞が持ちこたえられなくなると、たまった中性脂肪が体内で放出されてしまいます。体内に油をぶちまけた状態、と言うと分かりやすいでしょうか?

この段階になると、身体のなかは脂肪だらけでドロドロになってしまいます。もちろん血液もドロドロ! 血管のなかもドロドロですから、血栓が出来たり、血流が抑制された状態が引き起こされます。血糖値が高い状態が長く続くと起こっているのです。しかし、薬が副作用として血糖降下と引き換えに体内のドロドロを加速させているとしたら!?

さらにたまった中性脂肪が酸化して、過酸化脂質に変わると危険です。酸化物質というのは、多くの場合、身体に悪影響を及ぼします。酸化した脂肪、過酸化脂質は、細胞内でエネルギーを作り出しているミトコンドリアを傷めつけてしまうのです。

ミトコンドリアがやられてしまうと細胞は死に至ります。3大合併症の大きな原因です。

さらには生命維持能力が著しく低下してしまうのです。ここに糖尿病の恐ろしさが潜んでいます。

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一時的な血糖値の高値より薬の負荷が問題!?

血糖値が高いことが長期に続けばもちろん問題です。しかし、薬で無理やりインスリン分泌を増やして必要以上のブドウ糖を無理やり細胞に取りこませてしまう恐ろしさを理解いただけましたでしょうか? 当然ですが原因となった、「食」の対応、運動療法を併用して、薬に頼らないようにするべきです

こうした薬の副作用については多くの患者さんが理解されていないでしょうし、治療現場でも詳しく説明されていない部分かと思います。

糖尿病網膜症の治療にとっても、大切なポイントだと考えています。

血糖値が高いと何がいけないのでしょう?

この質問に正しく答えられたら、皆さんの糖尿病は自分で大半は治せることでしょう!?

意外とこの質問、答えるのが簡単ではないですね。

糖尿病の種類

まずは糖尿病のタイプをお伝えします。大きく分けて糖尿病には「I型」と「II型」があります。

① I型: インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞が何らかの原因で破壊されて、インスリンを分泌できなくなった状態。ベータ細胞が回復する可能性は少ないためにインスリンを体内に入れるしか治療方法がない

② II型: インスリンの分泌が少ない、あるいは分泌はされているが体内でうまく作用していない。そのため血糖値が高くなる。主な原因は生活習慣。妊娠や、薬剤が原因になる場合もある。

糖尿病と言われている人の95%がII型に分類されます。ですから、早期に原因を発見して、適切な対応を行えば改善の余地は大きいのです。

では血糖値の高さが何を引き起こすのでしょうか?

糖尿病の3大合併症

糖尿病網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症が糖尿病の3大合併症です。

どれも毛細血管が障害され、血流が悪化することが直接の障害の原因です。これらは血糖値が高いことで生じるとされます。

血糖値が高いことが3大合併症を引き起こす理由について考える必要があります。ここに「高い血糖値がいけない」理由が隠れています。糖尿病網膜症でお困りの方にはぜひ理解しておいていただきたい点です。

血糖値の高さが良くない理由 3大合併症

血糖値の高さが3大合併症を引き起こす理由についてお伝えしたいと思います。ここに「高い血糖値がいけない」理由が隠れています。糖尿病網膜症でお困りの方にはぜひ理解しておいていただきたい点です。

高血糖の原因

そもそも血糖が上がる原因は何でしょう?

インスリンの分泌異常やはたらきの効力によって血糖値は変わります。多くの方がここまでは理解されていると思います。

ではインスリンの分泌低下、あるいは作用しなくなる原因をご存知でしょうか?

糖類や糖質を摂取すると、消化されて多くのブドウ糖が血液中に流れます。そのブドウ糖を細胞に取り込むために多量のインスリンが必要となるのです。膵臓はインスリンを懸命に分泌しようとします。

いつもこの状態で、膵臓に鞭打つ状態が長い間続くとどうなるか、もうお分かりですよね。

余りに頻繁に多量のインスリンを出さなければならないようでは膵臓は疲労します。疲れすぎるとインスリンを余り出さなくなります。効き目も低下するのです。

その結果、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むことが出来なくなるのです。血液中にブドウ糖を残すことになります。これが「血糖値が上がる」原因です。

糖尿病とは糖の代謝障害

血糖値が上がるのは「膵臓の疲労のサイン」と考えることが出来ます。

糖尿病が血糖値が高くなる病気であることはその通りです。しかし「血糖値が高い」=「糖尿病」ではありません膵臓の疲労の段階の高血糖であれば、疲労を回復させれば血糖値は下がります!

血糖値が高いということは、糖尿病の一面ではあります。しかし病気の本質ではありません。

糖尿病の問題は血糖値が高いことではなく、「血液中のブドウ糖を細胞に取り込むことが出来ない」点にあるのです。

ブドウ糖を吸収した細胞は、そのブドウ糖からエネルギーを作り、例えば体温を調節します。あるいはコレステロールの材料にします。「代謝」と呼ばれる作業です。人間が生きているのは、この代謝を行っているおかげなのです。

糖尿病の問題は「糖の代謝障害」を起こすことです。この代謝障害が3大合併症に繋がるのです。

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