専門医コラム
2018/01/14
電磁レンジのマイクロ波の食品への影響
電磁レンジのマイクロ波の食品加熱で脂質に影響
トランス脂肪酸の問題については過去のコラムでもお伝えしました。
欧米ではトランス脂肪酸の過剰摂取は規制されています。 マイクロ波の吸収は食品の脂質に集中しやすい傾向があります。
残念ながらシス型の不飽和脂肪酸は酸化還元反応による水素化で、トランス脂肪酸に転換してしまうのです。
マイクロ波によって影響が生じるとされるシス型の不飽種脂筋酸はオレイン酸、 リノール 酸、 α-リノレン酸です。
マイクロ波とオレイン酸
オレイン酸はオリープの油から単離されたことが由来の必須脂肪酸です。 酸化されやすいという特長があります。 オレイン酸の摂取は、 発ガンや動脈硬化にともなう 心筋梗塞・脳梗塞・高血圧・糖尿病など、 生活習慣病の予防・改善に役立つといわれています。
マイクロ波でオレイン酸を加熱すると、 分子回転と酸化還元反応による水素化によって、 トランス脂肪酸であるエライジン酸に転換されます。 エライジン酸は虚血性疾患の病気を高める危険性が報告されています。
マイクロ波とリノール酸、 α-リノレン酸
リノール酸は紅花、トウモロコシの植物油に多く含まれる必須鮨訪酸です。 リノール酸が欠乏すると、 髪のばさつき、 抜け毛、 傷などの治癒の遅れなどが起こります。
α-リノレン酸はエゴマ、 ひまわり油、 あま油、 大豆などの植物油に多く含まれている必須脂肪酸です。 うつ病、 心臓血管の欠陥を予防する作用があります。 アレルギー疾患、 アトピー性皮膚炎などの予防効果があり、 がん抑制作用や動脈硬化予防は広く知られています。
マイクロ波でリノール酸、 α-リノレン酸を加熱すると分子回転と酸化還元反応によって必須脂肪酸であるリノール酸、 α-リノレン酸の総量が著しく減少することが確認されています。
不飽和脂肪酸は波長、 7~11μmに 大きな赤外線の吸収波長が存在します。
赤外線加熱と酸化還元反応によって、 シス型不飽和脂肪酸の減少または、 シス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸へ転換されるのです。
マイクロ波の吸収は食品の脂質に集中
まとめると電子レンジのマイクロ波加熱では、 マイクロ波の吸収は食品の脂質に集中しやすく、 脂質の変成に大きな影響を与えるのです。 電子レンジのマイクロ波加熱によって、 シス型脂肪酸が減少し、 脂肪のトランス脂肪酸が増加を引き起こします。
特に成長期の子どもさんたちには、電子レンジでの調理は可能な限り避けるべきだと考えます。
<参考文献>
Changes in fatty acid composition of different milk products caused by different technology
Rozalia Verooika Salomon ら: Acta Univ. Saplentiee Alimentaria 2, 1(2009) 101-109
Microwave and Conventional Heating Effects on some physical and chemical parameter of edible fat
L. Albi ら: L. Agric Food Chem 1997 45 3000-3003
Effect of Heating and Processing Methods of Milk and Dairy Products on Conjugate Lionoleic Acid and Tans Fatty Acid lsomer Content
S.M. Herxallah ら:J.Dairy Sci 88 1301-1310 American Dairy Science Association, 2005
Detect on of Hazelnut Oil Adulteration ∪sing FT-IR Spectroscopy
Banu F. Ozen and Lisa Mauer : J. Agric. Food Chem 2002, 50, 3898-3901
マイクロ波は微量栄養素のビタミン類に大きな影響を与えている
電子レンジの微量栄養素のビタミンE、 ビタミ ンB12に 関する研究をご紹介します。
ビタミンEは魚貝類のうなぎ、動物性の肝臓、植物では、とんぶり、モロヘイヤ、赤ピーマン、唐辛子などに多く含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、活性酸素を減らす効果が知られています。
ビタミンB12は 、植物には含まれておらず、動物性の肝臓 類、魚員類、海草類に多く含まれています。
ビタミンB12は 、生体の細胞代謝に関係し、欠乏すると様々な神経症状が生じます。ニューロパチーと呼ばれる、以下のような疾患です。糖尿病性ニューロパチー、腫瘍随伴性ニューロパチー、膠原病性血管炎に伴うニューロパチーなどです。
ビタミンEは光や、熱によるイオン化反応によって自動的に酸化されやすいのです。残念ながら電子レンジを使うとビタミンEはマイクロ波加熱によって著しく減少します。
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種です。脂質に溶けた状態で、食品に存在しています。マイクロ波の吸収は、先に述べたように食品の脂質に集中しやすい特徴があります。
マイクロ波によってビタミンEに影響が生じやすい理由がお分かりいただけるでしょう。
ビタミンB12はコバルト原子を含む大きな分子量を持つ有機化合物です。
マイクロ波とコバルトのスピン及びコバルトー炭素の回転相互作用によって、ビタミンB12は マイクロ波加熱によって分解されます。 ビタミン B12の赤外線吸収は、 コバルトに結合しているシアノ 基によって生じ、 波長4~10μm及び2μmに大きな吸収波長があります。
電子レンジのマイクロ波加熱では、 食品中の脂質に吸収が集中します。その結果、脂質のト ランス脂肪酸が増加するだけではなく、 微量栄養素のビタミンが欠乏し摂取に影響することが理解されます。
毎日のように電子レンジを使っている方が多いと思いますが、アレルギーやアトピーを治すためには出来るだけ使用を控えてください。せっかく、無農薬の野菜などにこだわって入手しても、“チン”一つでその食品が毒物に変わっている可能性が高いのです。
当然、最近流行りのIHクッキングヒーターにも同じことが言えます。電磁波を放出しているのです。
調理の過熱は、人類が昔から使ってきた「火」を使うほうが安全と思われます。
<参考文献>
Antioxidant Synergy and Regeneration Effect of Qucetin, (-)-Epicatechin, and(+)- Catechin on α-Tocopherol in Homogeneous Solutions of Peroxide Methyl Linoleate
Pamela Pedrielli and Leif H. Skibsted : Journal of Agriculture and Food Chemistry(2002)
Riboflavin, α-Tocopherol and retinol retention in milk after microwave heating
I. Medrano ら: Lait Elsevier (1994)
Vitamin B12 and Redox Homeostasis Cob(Ⅱ) alamin Reacts with Superoxidase at Rates Approaching Superoxide Dismutase(SOD)
Edward Suarez Moreira ら: Journal of American Chemical Society 2009
Efects of Microwave Heating on the Loss of Vitamin B12 in food
Fumio Watanabe ら: J. Agric Food Chem 1998
マイクロ波について
マイクロ波は電波の一つで、電波は電磁波の1つです。電磁波は「波」です.波長と周波数という2つの要素を持っています。
波長は波の頂上から頂上までの長さ、周波数は1秒間に現れる波の数を示しています。
電磁波の速度は周波数にかかわらず一定で約30万km/秒です。これを周波数で割ると波長になります。
光も電磁波の一種です。
そして、3000GHz以下の電磁波を電波と分類しています。
周波数が300MHzから300GHz(波長が1mから1mm)の電波をマイクロ波と呼んでいます。
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