専門医コラム

2018/01/19

動脈硬化による目の血管病変 亜麻で対策!

アメリカやヨーロッパで注目される亜麻(フラックスシード)

「亜麻=フラックスシード」をご存知でしょうか?

日本ではまだ馴染みが低いようです。

アメリカのネイティブピープルが日常的に食べられています。

古代から病気予防のメディカルハーブとして利用されていたとのことです。

これまでお伝えしたように、この1月に入ってからも「網膜静脈閉塞症」で視力を悪くしてしまう方が日々受診されています。動脈硬化に伴う代表的な目の失明疾患です。

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食管理が重要ですが、すぐに食の変更は容易ではないようです。

特に、再発予防対策を行うべき疾患ですが、「亜麻(フラックスシード)」は比較的簡単に摂取して動脈硬化やコレステロール低下にお役に立つ食材です。

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アメリカやヨーロッパでは、フラックスシードを食事に加えると、ダイエット効果、コレステロール低下、ガンや心疾患のリスクが減少するなど、その健康増進効果が注目されています。

日本では、種子を搾ったフラックスオイルやサプリメント、ペットフードとして売られていますが、まだそれほど知名度は高くありません。

また欧米のように積極的に食べることが一般化はしていないようです。

フラックスシードの優れた成分とは

フラックスシードやオイルを食事に加えると、先に述べたようにダイエット効果、コレステロール値の低下、ガンや心疾患のリスクが減少するなどの報告がされています。その効果の根拠を以下に述べます。

現代人が不足しがちなオメガ3脂肪酸が豊富

人はカラダの機能を維持するために、オメガ3、オメガ6という二つの必須脂肪酸が必要です。例えば、脳と神経の組織の50%以上はこの2つの脂肪酸からできています。各々の脂肪酸が、プロスタグランデインとよばれるホルモン様物質をつくりだし、エネルギーの新陳代謝、心臓血管の働き、免疫システムの維持等に重要な働きをしているのです。

これらの脂肪酸は、体内でつくり出すことができないので、食べ物から摂取する必要があります。現代人は、オメガ6は多くとっていますが、オメガ3は極端に少ない傾向にあります。

フラックスシードには、オメガ6が20%とオメガ3が60%と理想的なバランスで含まれ、その比率は魚油の約2倍と言われます。

フラックスシードはこのオメガ3系脂肪酸の供給源として貴重な存在なのです。

オメガ3脂肪酸は、脂肪の中で一番柔らかい性質があります。

細胞膜を柔らかくして、血液の流れを“サラサラ”にします。

コレステロールを下げる、脂肪を適切に代謝する働きもあります。

こうした働きにより、心臓疾患や糖尿病、脳卒中、関節炎、肥満などの予防、アレルギーを抑制する効果があると言われています。

もちろん、血管閉塞病変をはじめとした眼科疾患にも有用です。

ガンのリスクを低下するリグナン

食物繊維様物質「リグナン」をご存知でしょうか?

低脂肪の食事の一部として摂取する実験で、男性の前立腺癌に伴う腫瘍の成長を遅くすることが報告されています。

乳癌などでも実験が行われており、α-リノレン酸との相乗効果で癌のリスクを低下させる作用があると米国では示唆されています。

また、サントリーと名古屋大学の研究で、フラックスシードに含まれるリグナンの一種、SDGが更年期特有のホットフラッシュ(ほてり)を緩和することも確認されました。

その他にも、便秘の予防・改善や余分なコレステロールや体内の有害物質を排泄する食物繊維、免疫力を高めるβカロテン、老化を防ぐビタミンEなども豊富に含まれています。

実は昔からのメディカルハーブ

日本ではあるヒット曲で歌われていました。

♪亜麻色の長い髪を・・・♪ ・・・昔カラオケで良く歌った記憶が!?

この亜麻が、フラックスシードなのです。

亜麻色とは、淡い灰色がかった茶色、つまり淡い金髪を意味しています。

中近東一帯が原産で、夏に青紫や白色の花を咲かせる1年草です。

亜麻の茎の繊維から作る亜麻布は、リネンと呼ばれ、古くから衣類に利用されてきました。

古代エジプト、バビロニア、フェニキアでは当時から栽培され、ミイラの布にも使われていたそうです。

古くはヒポクラテスがフラックスシードは健康をもたらす、と賞賛しています。

様々な病気予防のためのメディカルハーブとしてその効用が知られてきました。

食用の歴史も古く、古代エジプト人や古代ギリシャ・ローマ人も食料としていました。

現在北米・欧米では、その優れた栄養成分が改めて見直され、種子(シード)は油の原料として、またパンやシリアル、スナック、サプリメントなどへの使用が広がっています。

何でもふりかけて使えます

種子を食べる時は、胡麻を炒るようにフライパンなどで炒って使います。

大さじ1~2杯食べてコップ1~2杯の水を飲むと、便秘解消にも効果を示します。

欧米では、コーンフレークなどに混ぜて、ハチミツや牛乳と一緒に食べるが一般的です。

もっとも私は牛乳をお勧めしません。

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ミルにかけて挽いたものを、胡麻のような感覚で何にでもふりかけたり混ぜて使うこともできます。

注意点としては、フラックスシードオイルは熱に弱いことを忘れないでください。

劣化しやすいので、加熱調理には向きません。

カプセルタイプは子どもさんでも使いやすい

市販されているフラックスシードオイルは、商品によって「匂い」や「クセ」があります。

油そのままでは使いづらいと感じる方も少なくないようです。

そのようなときはカプセルタイプで、内服しやすい商品も販売されています。こうしたものをうまく活用して、現代人に不足がちなオメガ3を皆さんの身体に取り込んでください。

網膜静脈閉塞症はもちろんですが、日本人の3大死亡原因である脳卒中や心筋梗塞の効果的な予防に繋がることでしょう。

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