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やっと今回、ミニウエル・眼内レンズのお話です!
ここまで長い道中にお付き合いいただきありがとうございました(笑)・・・
もともと人間の「角膜」は全くの球状ではありません。
物を見るための角膜中心部と、角膜周辺部では「角膜曲率」は異なります。
「非球面」と言って、中心部は ”急なカーブ“ で、周辺部は “緩いカーブ” の組み合わせとなっているのです。
さらに「レンズ」には「収差」という現象が加わります。
少し物理学の話になります。難しいと思われる方は読み飛ばしてもらって結構です。
日常的に「収差」という言葉を聞くことは少ないでしょう。しかし、「分散」という言葉は多少なじみがあるのではないでしょうか。数学で聞いたこともあるでしょう。数学では、むしろ受験生が一喜一憂する「偏差値」のほうになじみがありそうですね。
話を戻して物理学でいう分散について少しお話しします。
光が物質を透過するとき、その物質によって波長(色)ごとの屈折率が異なる性質をもっています。分散とは、この波長(色)ごとの屈折率の違いをいいます。
プリズムを通過した光が虹色のスペクトルに分離されるのはそのためです。虹の原理ですね。カメラのレンズや角膜、水晶体でも同じ現象が生じます。
また、一枚の球面レンズ(乱視が無いレンズ)では同じ波長(色)の光でも光の入射位置により屈折する角度が異なり、光の収束する位置がずれてしまうという問題もあります。
ひとつの波長(色)でも複数の波長(色)でも、理想はすべての光が一点に集まることです。しかし、実際の光学上では、理想の条件モデルとの差が生じます。
この差を「収差」と呼びます。
例えば収差はカメラやメガネのレンズの性能を測るひとつの目安となっています。
人間の目では一人一人収差の大きさが異なり、特に角膜で発生する収差が、その人の視力の質に関係することが分かってきています。
しかし、収差は悪いことばかりではありません。
この収差が大きいと、「調節力」を補助してくれる場合があるのです。
水晶体の変化で老眼が起こっていても、角膜の収差が調節力を補ってくれる場合があります。
このような場合では、老眼が軽く済んでいる場合があります。
「角膜の収差すなわち調節力」が働いているのです。
この収差を人工水晶体に応用したのが、EDOFコンセプトなのです。
眼科の視機能については、こうした物理学が応用されることが多いです。
メガネやコンタクトレンズにも、上記のような考え方が利用されています。
現在では「EDOF(Expanded Depth of Field)」という呼び方で統一されてきていますが、SIFI社のミニウェル・レンズは当初は、「The first progressive multifocal IOL」すなわち「世界初の累進多焦点眼内レンズ」という呼び方をされていました。遠くから近く(約40cm)まで、全ての距離で良い視力が得られるという意味です。プログレッシブ眼内レンズとしての特許を取得したのがSIFI社です。
SIFI社CEO
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