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視力低下と言うと比較的若手の方は「近視」を連想することが多いようです。
代表的な事例が、「学校での視力検査」です。
よくお母さん方が、「子どもが学校の視力検査で“ひっかかって”しまいました。」と言われます。単に、眼科での精査を進められる「報告用紙」なのですが、「警告書」でも渡されたかのようにお子様を連れて学校用紙とともに眼科を受診されます。
約8割は「近視」が原因での視力低下です。
そのため、近視での視力低下については、多くの方が良くご存じで「慣れている」ことが多いです。
眼科の検診でお子様の視力低下を指摘されると、多くの親御さんは、「メガネが必要ですか? できればかけさせたくないのですが・・・。」と言われます。
近視はメガネをかけると視力を出せると知っているからです。
小栗は50歳を過ぎた今でも、この視力回復コンタクト(当院では iOK® と呼んでいます)を毎日使って、昼間は裸眼で生活しています。
この治療の詳細は、小栗が執筆した「子ども視力回復トレーニング(幻冬舎)」に詳しく記載されています。
前述したように、就学時検診や学校での視力検査の結果、「眼科での精査」を勧められて受診される方の多くは「近視」による視力低下です。
多くの親御さんは、近視が発症すると遠くが裸眼では見づらくなることだときちんと理解されています。
しかし、「遠視」については正確に理解されている方がとても少ないのです。
実は3歳くらいの子供さんは、殆どの方が「遠視」です。成長とともに遠視が治っていきます。
しかし、遠視が治らずに中学生になっても残ってしまう方は要注意です。何故なら、中学生になっても遠視が強くのころ場合は、「目の成長不足」を心配しないといけません。
遠視については意外と詳しく知られていません。中には、”近視は悪い目、遠視は良い目(遠くが比較的良く見えるため)” と捉えている方も少なくありません。もちろんこれは大きな誤解です。
視機能としては遠視の方が将来にわたって大きな問題となる場合も多いのです。
子供の遠視は、多くは眼の成長不足が原因です。上記のように、眼の奥行きが短くて、角膜・水晶体で屈折した光が結像する前に網膜に届いてしまい、ピンぼけになる状態です。『目の小人症』と私は患者さんに説明しています。
子供の眼は発育途中では、眼球の長さが十分伸びていません。したがって、子供の遠視はめずらしいものではありません。しかし、眼球の成長不足のまま放置されると、弱視や斜視の原因になるので注意が必要です。
人の目は生まれたときには視力はほとんど無く、光がわかる程度です。
網膜にピントの合う光が繰り返し届くことによって、網膜は視細胞(光を捉えるフイルムの役割)の発育とともに成長し、視力が発達します。 遠視があると、正しい像が網膜上で結ばず、網膜の視細胞としての発達が未熟になってしまいます。(視性刺激遮断性弱視・光刺激遮断性弱視)
近視の場合は、遠くの物体にはピントは合いませんが、近いところにはピントが合うので弱視はあまり発生しません。(強度の乱視や斜視を伴う場合を除く)
また、遠視があると、常に休む間もなく「調節」という力を働かせて、網膜上に正しい像を結ぼうとします。本来、「調節」は近いところを見るときのピントあわせのために働く力なのですが、遠視の場合は遠くを見るときにも使わないと明視できません。
この「調節」と、眼を内側に回旋させる「輻輳」という力は相互に関係しあっており(近見反応といいます)、調節が起こると眼を内側に向けようとする力が働きます。
したがって、遠視があると余計に「調節」を強いられる分、「輻輳」も余計に働きますから、眼が内側を向いてしまうことになります。(調節性内斜視)
調節と輻輳のバランスがとれずに、常に、あるいは間歇的に眼が内側を向いている状態もしばしば起こります。(内斜視)
どちらのケースでも、斜視があると、両方の眼が協調して働くことが出来ず、遠近感や立体感といった両眼視機能が得られないことになります。
こうした視機能のバランスを崩さないために、名古屋院、長浜院ともに様々なトレーニング治療を行っております。
また、希望者には目の発育を妨げている全身的な原因解決のお手伝いもアレルギー科で対応しております。
過去のコラムでも遠視について一般的な説明をしておりますのでご参照ください。
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