専門医コラム

2019/02/01

ミトコンドリア「エネルギー産生工場」!

ミトコンドリアはわれわれが生きて行くための「エネルギー産生工場」

2019年1月11日のコラムでご説明したように ATPはわれわれの生命活動のエネルギー源として体内で起こるあらゆる生命活動に使われます。

 

人間の細胞の中に存在して、栄養素からエネルギーとなるATPを作り出す「エネルギ―工場」がミトコンドリアです。

ミトコンドリア

おそらく中学の生物の授業で出てきたはずですが、「ミトコンドリア」、多くの方が聞いたことはあるでしょう

しかし、説明を求められると、「?」となるかたが多いです。

 

先に述べたように一言でいうとミトコンドリアはわれわれの60兆個と言われる細胞の内部にあるエネルギー産生工場です。

 

 

食べる、呼吸する、全てはミトコンドリアが働くため!!

以下、生化学反応の説明となります。細かなことは頭が痛くなるでしょうから苦手な方は読み飛ばしてください。

 

さて、食べた食物は胃腸で消化吸収され炭水化物は グルコース(ブドウ糖)に分解されます。

 

脂質は 脂肪酸にまで分解。

 

それぞれ血流に運ばれて細胞にたどり着くと、細胞内小器官の「ミトコンドリア工場」がATPを賛成するために細胞内に取り込まれます。

 

この「ミトコンドリア工場」内での、エネルギー産生過程は次の2段階に分かれています。

 

① 第1段階: 解糖系

 

② 第2段階: 酸化的リン酸化反応(TCAサイクル と 電子伝達系)

 

..........................................................................................

 

解糖系 :   ← グルコース⇒ ピルビン酸、乳酸

 

  ⇓

 

TCAサイクル(クエン酸回路): ピルビン酸 ⇒ アセチルCoA ⇒ 

 

クエン酸回路でNADH, FADH2 が生成

 

  ⇓

 

電子伝達系 : NADH, FADH2 を使用してATP産生

 

..........................................................................................

 

以下のように言い換えることが出来ます。

 

..........................................................................................

 

*栄養素の分子構造に蓄えられている化学エネルギー

 

  ⇓

 

細胞質解糖系によりピルビン酸に変換

 

  ⇓

 

ミトコンドリアに入り 酸化的リン酸化反応により電子エネルギーに変換

 

  ⇓

 

*最後に電子伝達系で 再び化学エネルギーのATPに変換

 

  ⇓

 

*生命活動に利用

 

..........................................................................................

 

お伝えしたいことは「ミトコンドリア工場」で行われているこの化学反応がわれわれの生命活動の根本をなすものだということです。

 

細胞内小器官、ミトコンドリアがエネルギー生成を休みなく行ってくれるおかげで、われわれは生きることが出来ています

 

呼吸でとりいれた酸素は電子伝達系での連続反応の最後のパート、ATPが産生される直前で働きます

 

そこで 電子が酸素に渡されることによりATPを生み出すエネルギーが形成されます。

 

呼吸についてのコラムでも説明しましたが、酸素がなければATPは産生できません。

 

われわれがなぜ食べて、なぜ呼吸をするのか、その目的であるエネルギー産生に「ミトコンドリア工場」が大きな役割をはたしていることを理解いただければ幸いです!

「ミトコンドリア工場」が減ってしまえば、カラダのエネルギー生成低下につながることは容易に想像できますね。

 

これが老化や、病気の原因に繋がります!

 

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