専門医コラム
2019/10/10
フライドポテトで死亡リスクが上がる "Fried potato consumption is associated with elevated mortality
今回は、「The American Journal of Clinical Nutrition」(アメリカ臨床栄養学会誌) に掲載された記事からご紹介いたします。
「フライドポテトで死亡リスクが上がる」?
- 最もじゃがいもを食べている人たちと最も食べていない人たちを比較すると死亡リスクに差はない
- 週2~3回、フライドポテトを食べている人たちと、週3回以上フライドポテトを食べている人たちの比較では、後者で死亡リスクが上がった
- 揚げていないじゃがいもを食べても死亡リスクに影響は認められなかった
- この研究ではフライドポテトを多く食べる人は死亡リスクが高かったが、もっと大人数での研究が必要
一言でまとめると、「フライドポテトを週2回以上食べると死亡リスクが食べない人の2倍になる」という結果でした。
しかしながら、「フライドポテトを週2回以上食べる人の死亡リスク上昇の原因は不明であった」ため、今後のさらなる研究が必要との結論でした。
死亡リスク増の原因はトランス脂肪酸? アクリルアミド?
この研究では、フライドポテトを食べる頻度と死亡リスクの上昇についての理由については結論を出してはいません。
さらに大人数での研究をする必要がある、とまとめられています。
過去の医学研究報告からは、トランス脂肪酸やアクリルアミドの摂取が原因ではないかと推測されています。
トランス脂肪酸については、以下のサイトに説明を記載しております。ご参照いただけますと幸いです。
アクリルアミドはじゃがいもや野菜などを高温で加熱した際に生じ、食べ過ぎるとガンのリスクを上げると言われています。
厚生労働省の「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」では、人に対する明らかな評価はないものの、動物実験で明らかな発ガン性を認めており、2A (人に対しておそらく発がん性がある)に分類されています。
アメリカでは日常的にフライドポテトを食べている
ジャンクフードの代表ともされる、フライドポテト!
アメリカを旅行されたことのある方はよくご存知かと思いますが、選択は出来るもののレストランへ行けば必ずと言っていいほど「山盛り」のフライドポテト(アメリカ英語ではFrench fries (フレンチフライ)、イギリス英語ではChips (チップス)と呼ばれます)がお約束です。
平均的なアメリカ人ですと、日本人が主食に白米を食べるがごとく、フライドポテトが「主食」代わりについてくることに慣れていて、毎日のように食べる方が少なくないようです。しかも、「ケチャップ」無しでは食べられないという方が大半のようです。
一般の日本人ですと、メインの大きな肉料理だけでも食べきれないのに、あの大量のフライドポテトまで平らげられる方は少ないでしょう。
・・・食べきらない方が良いと思います(笑)。ケチャップもおススメしません!?
日本であれだけの大量のフライドポテトを毎日のように食べる方は少数だとは思います。
日本でフライドポテトがよく出てくるのは、ファミリーレストラン、居酒屋、ファストフード店といったところでしょう。
フライドポテトの材料は言うまでもなくじゃがいもです。問題となるのはこのじゃがいもの調理に使われる、揚げ油!
ここでは油の問題は述べませんが、以前、お伝えしたナチュラルハイジーン食とは対極とも言えるのがフライドポテトです。
ジャンクフードのあふれている現代の日本
月に1、2回、フライドポテトを少量楽しむのであれば大きな身体への負担とはならないでしょうが、フライドポテトに限らず現代の食生活には身体を酸化させて免疫力を弱める食品が溢れています。
その簡単な対応として、小栗が自身も実践している古来からの先人の知恵である「炭」を食前に服用しておくことをおススメしています。
居酒屋など、お付き合いも大切ですので、簡単にできる対応でご自身の健康をお守りください!