専門医コラム
2020/07/09
眼と”肝”、”腎” 対策篇
肝機能をUPさせよう!
眼と肝臓のつながりを前回お伝えしました。今回は肝機能を改善する対策を以下にご紹介します。
1:胃を休める
この肝臓ですが、胃とも密接につながっている臓器です。そのため、もともとは胃の機能が低下したために肝臓が過労状態となり、その疲れが眼にあらわれていると考えられます。ついつい食べ過ぎたり、飲み会で飲みすぎたりして翌日胃のもたれ感を感じることは多くの方が経験済みでしょう!
身体というのは、各臓器や組織がバラバラに動いているのではなく、連携して機能しているということがここからも理解いただけると思います。”眼科” を受診して、目薬だけ使っていても一時しのぎにしかならないのは、眼の不具合の原因となっている "全身の原因” を治していないからです。
これが長引くと眼球の充血が起こり、風邪をひきやすくなったり、唇や肌が乾いてくる(ガザガザになる、とよく言われますね)などの連鎖反応を引き起こすこともあります。風邪をひくと目が充血しやすくなるのは、このように身体の中でつながって機能しているからです。このような不具合の時は、目薬だけで対応するのではなく、まずは、消化に良い食べ物で胃を休めましょう。こうした時はプチ断食がオススメです。
2:肉食による便秘を避ける
肉をよく食べる人は、お通じのトラブルが起こりやすいので注意が必要です。排便は、体内の不要物を排出してくれる最大のデトックスです。肉を食べる時には、繊維質の多い野菜や大根などを一緒にとって、宿便を作らないよう消化器官への負担を減らしましょう。
肉を食べる前に野菜を先に食べておくことをオススメします。
3:酸っぱいものを食べる
“酸っぱい味”が、肝臓の働きを助けます。冬ならば身体を冷やしにくい、梅干し・りんごなど、暑い夏にはトマトがおすすめです。
肝臓からのサイン・その他
肝臓からのサインは眼の他にも、「爪が割れやすい」「イライラする」「日光アレルギーや金属アレルギーになる」「痙攣やこむら返りがおこる」などとして全身にあらわれるので、こうした症状に気付いた場合も、上記の改善ポイントを意識して肝臓を休めるようにしましょう。眼の症状が出ている時に、「イライラしやすい」等、上記の症状併発している時は、肝臓にご注意下さい!
春に身体をデトックスすることは、暑い夏をのりこえるための基礎固めにもなります。忙しくても、メイクなどのちょっとした時間に眼をチェックしてみると、普段気がついていなかった充血等、意外な発見があるかもしれませんね。
疲れ目に対処する漢方薬例
疲れ目にともなう症状で、背景となる内臓の不調を診断した場合、以下のような漢方薬の処方、食物の対応を当院では行っております。
● 肝のトラブル
・ 肝気鬱結=(逍遥散 or 加味逍遥散)+枸杞の実+菊の花
・ 肝血虚=(四物湯 or 当帰養血膠)+枸杞の実+菊の花
● 胃のトラブル
・ 腎虚
冷えがある場合=(八味丸or海馬補腎丸)+枸杞の実+菊の花
ほてりがある場合=菊地黄丸(六味地黄丸+枸杞の実+菊の花)
● 脾のトラブル
・ 脾胃気虚=補中益気湯+枸杞の実+菊の花
ご自身で気になる点がありましたら、是非ご相談ください。
全身スキャナー、アムサットでも17秒という短時間の測定で、肝臓、腎臓の状態をご確認いただくことができます。