専門医コラム
2020/07/28
血管の老化と全身の衰えの関係! もちろん眼とも関連
健康と若々しさの決め手は、実年齢より血管年齢
血管は加齢とともに弾力を失い、硬くなっていきますが、元気で若々しい毎日を過ごしていくためには、血管のしなやかさをいかに保つか、メンテナンスがとても重要です。全身の衰えと血管の老化には深い関係があるのです。血管が硬くなれば、動脈硬化も進んで、様々な病気や老化のリスクが高まります。動脈硬化について過去のコラムもご参照下さい(⇒ 人は血管とともに老いる)。
心臓から送り出された血液を全身にめぐらせている血管。すべての血管をつなぎ合わせると約10万km、地球2周半もの距離になります。文字通り体内のライフラインですが、そこで肝心なのが血管の“弾力”です。血管がしなやかな状態であれば、栄養や酸素の運搬も老廃物の排出もスムーズです。
血管は、加齢とともに硬くなる傾向がありますが、そのスピードには個人差が大きく、同じ年齢でも“血管年齢”は違ってきます。20代なのに血管が硬くなっている人や、60代でもさほど硬くない人もいます。
当然、全身の動脈硬化が生じている方は、眼球の血管も固くなっている筈です。ここからも、眼の病気の治療には全身の対応が不可欠であることが理解されますね!
血管の内皮細胞がしなやかさを左右!
血管が硬くなるのには、2つの理由があります。ひとつは、血管自体はそれほど硬くなくても、血圧の上昇で血管に圧力がかかったり、ストレスや喫煙で血管がキュッと縮んだりして血管が硬くなっている状態。この場合は一時的な硬さなので、その原因を取り除けばもとの状態に戻ります。
もうひとつは、加齢や生活習慣などによって動脈硬化が進み、血管そのものが老化して硬くなっている状態です。このように、老化して硬くなった血管は、もう戻せないと考えられていましたが、近年の研究で、ある程度のしなやかさを取り戻せることが分かってきました。
そのカギを握るのが、血管の一番内側にある内皮細胞の働きです。これを「内皮機能」といいます。もちろん年齢とともに血管の内皮機能も低下しますが、食生活をはじめとする生活習慣の工夫で、回復することが分かってきたのです。
内皮機能は、女性ホルモンによって働きが高まることが分かっており、一般的に女性は男性よりも血管の状態は良いといわれます。しかし閉経以降、女性ホルモンが減少すると、一気に内皮機能が衰えて、血管が硬くなりやすいので、50代以降は注意が必要です。
血管がしなやかな人は歳を重ねても若々しい!
血管は目には見えませんが、血管年齢が若返ると、身も心も若々しくなります。
血流が良くなり、肩こりや腰痛も緩和します。また、全身のすみずみにまで栄養と酸素がいきわたるので、全身に活力がみなぎってくるでしょう。さらに、疲労物質や老廃物がきちんと排出されるので、疲れがたまりにくく、肌や髪もツヤツヤに。ほかにも下図のように多くの変化を実感できます。
そして、病気の予防面で何よりも大きいのは、動脈硬化を防ぐだけではなく、血管がよく拡張するので、心臓から楽に血液を送り出せるようになり、心臓の負担が軽くなることです。そうなれば、心筋梗塞や狭心症はもちろん、脳卒中の発症リスクも軽減します。心筋梗塞や脳卒中の怖さは、命をとりとめても、後遺症によって、介護が必要な寝たきり状態を招くことです。これらの病気を防ぐことは、すなわち全身の健康寿命、眼の健康寿命をのばすことにつながります。
対策としてはこれまでも食の問題を述べてきましたが、『抗酸化』がキーワードです。
錆び落とし、と言っても良いかと思います。直接、血管の錆び落しをする方法の一つが 高濃度ビタミンC点滴等、当院のアレルギー科で行っている治療です。高濃度ビタミンC点滴について詳しくは以下をご参照下さい!
抗老化効果物質、NMN
ハーバード大学のデビッド・シンクレア教授が、マウス(ねずみ)
もちろん血管の若返り効果が期待できるため、抗加齢医学分野で注目されている物質です! NMNの詳細はコチラを参照下さい。
著書紹介
眼病をはじめとして全身疾患とくに3大疾患(癌、脳卒中、心筋梗塞)の予防としても水と食は重要です! タイトルには「アトピー」と出ていますが、アトピーに限らず身体の不具合を抱えている方のご参考になるかと思います!
アトピーに限らず、病気は“根治治療”をしてしまえば、その先苦しむ必要はなくなります。 薬でかゆみなどの症状をおさえる“対症療法”だけをしていては、いつまでも“完治”にはいたりません。 さまざまな病気で、薬だけにたよって、その原因を治そうとしない、気づこうとしない人がとても多いことが残念です。 アトピー性皮フ炎は治らない病ではありません。アトピーはその原因を知れば治すことができます。 世界一といわれる保険診療で、負担するお金も少なく病院にかかれるシステムができている日本でさえも、アレルギー疾患は減るどころか増えつづけています。 またスギ花粉症にはさらに多くの人が苦しい思いをしています。 毎年、2月から3月ごろには、眼科や耳鼻科の外来がスギ花粉症の患者さんであふれかえっていることが、問題の深刻さを語っていると思います。症状を薬で一時的に抑えているだけですから、毎年同じことを繰り返しているのです。 さらに、スギ花粉症の人はスギの時期だけではなく、通年性アレルギーをおこす傾向が強いのです。 なぜ、アトピーやアレルギーを繰り返す体質になったのか、その原因を理解すれば、苦しい食制限や辛いガマンをせずに体質改善へ向かうことができます。 本書では、毎日の生活の「コツ」をつかんでもらうことを主眼に、一人一人のアトピー、アレルギー体質となった原因探しのお手伝いをさせてもらいます。 薬で症状を一時的におさえることは大切ですが、まずは原因に目を向けて“病気をくりかえさない”豊かな人生につなげて頂ければ幸いです!
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