専門医コラム

2015/02/09

近視大国日本

子どもの視力低下が止まらない

新入学、進級時に学校の視力検査で視力低下を指摘された子供さん、多いのではないでしょうか? 日本人は全体として視力が悪いとされていますが、どのくらい近視の患者さんがいるのでしょう。

2012年12月25日の日本経済新聞の記事では、以下のように書かれていました。

「子どもの視力低下が止まらない。2012年度の学校保健統計調査によると、視力1.0未満の子の割合は小学生が30.7%、中学生が54.4%、高校生が63.8%で、前年度に比べ0.8~2.8ポイント増えた。文部科学省は携帯電話やゲーム機器の影響とみている。眼鏡やコンタクトレンズを使っていない子のうち、小学生の12.7%、中学生の17.1%、高校生の20.1%は、どちらかの目が黒板の字が見えにくい視力0.7未満だった。外見を気にして眼鏡を嫌がる生徒らが多いとみられる。」

新聞記事の統計によれば、全国の幼稚園児のうち裸眼視力が1.0未満の割合は全国平均で24%とされています。幼稚園の段階で4人に1人は何らかの視力低下原因を抱えているということになります.

ベトナムではなぜか見かけません

私は今、ベトナムでこの原稿を書いていますが、メガネをかけているベトナム人は殆ど見かけません。メガネをかけているのは日本人か韓国人!

では日本人の平均的な視力はどのくらいなのでしょうか?公的な統計はありませんが、ある調査によれば20歳代の平均裸眼視力は0.6、30歳から50歳未満の平均裸眼視力は0.4、そして50歳以上の平均裸眼視力は0.5であったという結果があります。

また視力が悪い人のうち、50%の人がメガネを常時使用しており、コンタクトレンズを着用している人が20%、何もしていないという人も3割近くいるそうです。

眼科診療をしていますと、かなり視力低下した人でもメガネをかけずに車を運転している人が多いことに驚きます。視力の悪い方に、ぶつけられない為にも車間距離は十分とったほうが良さそうです. 目を細めると瞬間的に裸眼視力は「良くなる」ため、自動車免許の視力検査も「合格」しているのでしょうね。結構、検査官が優しかったりして…

メガネ・・・というと、近視で使用していると考えられがちですが、遠視でメガネをかけている方も少なくありません。近視、遠視を問わず、適切な視力補正は自分だけでなく、他人に危害を与える可能性のある自動車運転などでも重要です。

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