専門医コラム

2015/03/12

100円で「がん発見」!

体長1ミリほどの線虫を使い、がんの有無を1滴の尿から高い精度で判別することに成功したと、九州大などの研究チームが発表しました。

早期のがんも発見でき、実用化されれば簡単で安くがん診断が可能になるとのこと。研究チームは「精度の向上などを進め、10年程度で実用化を目指したい」と述べています。この論文は3月11日付の米科学誌プロスワンに掲載されました。

がん患者の呼気や尿には、特有のにおいがあることが知られており、「がん探知犬」を使った診断手法も研究されています。しかし探知犬は育成に時間がかかり、普及には課題が多いのが実情。

九大の広津崇亮助教と伊万里有田共立病院(佐賀県有田町)の園田英人外科医長らの研究チームは、体内に寄生した線虫アニサキスを手術で取り除こうとした際、未発見の胃がん部分に集まっていたことに着目

研究チームは、実験動物として使われる線虫C・エレガンスを用意。この線虫は犬と同程度の嗅覚受容体を持ち、好きなにおいに集まり、嫌いなにおいから逃げる習性(走性行動)があります。事前の実験で、がん細胞のにおいを好むことが分かっりました。

健常者218人、がん患者24人の尿を採取。実験皿の上に1滴ずつ垂らし、線虫の走性行動を調べた結果、健常者207人と、がん患者23人を正しく判定しました。がん患者をがんと診断できる確率は95.8%に達し、がんの種類や進行度にかかわらず判別できたという驚きの報告!

これに対して従来の血液を調べる腫瘍マーカーで、同じ患者らを検査した結果は16.2~25%だったとのこと。

がん患者24人のうち5人は、採尿時にはがんが見つかっておらず、従来のがん検診で見つからない早期がんも判別できる可能性が高いことも分かったそうです。

当院でも高濃度ビタミンC点滴、血液オゾン療法、プラセンタ注射による免疫力強化治療等、がん患者さんに効果があるとされる治療を行っています。将来的に、線虫検査で早期がんの発見が進めば、早めに高濃度ビタミンC点滴等を行うことで進行する前に「がん退治」が効率良く可能になることが期待できそうです!!

http://ogurikinshi.com/nagoya/allergology/drip

ページのトップへ