専門医コラム

2015/03/14

ヒトゲノム計画―神が創り、人が読んだ30億の言葉―

ヒトゲノム計画をお聞きになったことがありますか?

ゲノムとは生命の設計図であり、 1 ゲノムとは精子や卵に含まれる親から子へ伝えられる遺伝情報に相当します。

ゲノムの本体は DNA と呼ばれるひも状の物質で、A (アデニン)、G (グアニン)、T (チミン)、C (シトシン)の 4 種類の塩基 (文字) から成っています。この 4 文字の「ならび方」によってすべての生命の営みが決められています。

ヒトゲノムは 30 億個の文字から成っています。ゲノム DNA の中で直接働いている部分 (遺伝子) は、ヒトの場合は 2 万~ 3 万個あるとされています。

ヒトゲノム解析計画はヒトの全DNA配列 (30 億文字) を読み取り、その働きを明らかにする目的で、この解析計画は国際的な協力により進められてきました。ヒトの全 DNA 配列の読み取りは 2001 年に概要配列が決定し、 2003 年には全塩基配列が決定しました。また、ヒトゲノム計画に関連して、様々な生物のゲノム解析が行われており、酵母、大腸菌、線虫、ショウジョウバエなどの DNA 配列の読み取りもすでに完了しています。

ヒトゲノム計画で分かったこと

1999年11月には10億個目の塩基(グアニン)が、2000年3月には20億個目の塩基(チミン)が決定。

そして2000年6月26日、ビル・クリントンとトニー・ブレアがヒトゲノム計画のドラフト(21番と22番染色体のみ)が完成したことを宣言した。その後、ワトソンらがDNA二重らせん構造を解明してちょうど50年後の2003年4月14日に、ヒトゲノム計画は完了した。約32億塩基対のゲノム全長のうち、ヘテロクロマチン(高度反復配列)を対象外とした約29.5億塩基対を解読したことになります。日本はうち約6%の解読に貢献ました。

何故、本日は、このテーマを持ち出したか!

研究すればするほど我々の身体はミラクル・ワールド! 未来永劫、どんどん新しい発見が続くのでしょう。

それでも少しづつでも生命の不思議を解明したい、と多くの研究者がチャレンジを続けているのです。

 

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