専門医コラム
2015/04/26
小中学生の視力外来、メガネの常識の嘘
以下の質問、あなたの答えはいかがでしょう?
① 視力が落ちたら、メガネをかけたほうが、眼のためにはよい。
② メガネは、かけっぱなしが良く、頻繁にかけたりはずしたりしてはいけない。
実はこの二つの質問はしばしば患者さんから尋ねられることです。答えはどちらも間違いです。何故か?
近視については、都市伝説ともいえる ”常識の嘘” がたくさんあります。
日本にこれほど多くの近視の方がいることと、常識の嘘がまかり通っていることとは、
無関係ではありません。
なかでも、弊害が大きいのが、上記の「メガネ」に関するものです。
近視の場合、メガネは本来遠くをみるために、かけるものです。
近視の人でも裸眼で見えるはずの近い距離をレンズをつけた状態で見ることは、
眼にとても負担をかけて、近視の度合いをすすめてしまいます。
近視は近くは裸眼で良く見える目です。現代生活への適応で、近くを見るときに負担が少なくなるように、将来老眼で困らないように近視になるのだ、という説を唱える方もいます。この考えには私は異論がありますが、中高年でも老眼鏡なしで近くが見えることは確かに近視の利点ではあります。
メガネやコンタクトレンズは、遠くを見るときだけに限定して使えば、余計に近視を進行させるような害は少ないのです。
しかし実際は、コンタクトレンズは朝起きてつけたら、夜までつけっぱなしです。
そのため、コンタクトレンズの弊害はメガネよりかなり大きいといえます。
また、メガネも、「面倒くさかったり」、「常識の嘘」により、かけっぱなしにしている人が、多くいます。
出来るだけメガネはかけたり外したり、必要に応じて調整して下さい。