専門医コラム

2015/05/13

近視が進行するのを止めたい! 医学論文から考察

視力がドンドン低下していく、近視の進行が止まらない方が増えています。子供だけでなく大人もです。

オルソケラトロジーは子供の近視の進行を抑制することが、アメリカやアジアでは多数報告されています。私が国際近視学会で発表したデータを以下に示します。中学校の3年間を含む4年間で20人の子供さんで進行抑制が確認されています。

iOK®近視抑制グラフ

 

 

 

 

 

 

近視は眼球の巨人症であるとコラムに書きました( ./?mnu=0211&IDX=181 )。 眼球の多きさ、「眼軸長」、が5年間オルソケラトロジー治療で大きくならずに済んだという医学報告があります。http://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2128645

 

日本人を対象とした研究ですので、やはりオルソケラトロジーは我々日本人にも近視抑制効果が強いと考えられます。

なぜオルソケラトロジーは近視の進行を止めることができるのでしょうか?

普通のコンタクトレンズやめがねで近視を矯正した場合、真ん中の部分は網膜の上にピントがあっていても真ん中ではない周辺の網膜像は遠視気味にピントがズレており、この周辺のピントのズレが眼軸(眼球の奥行)を伸ばす方向に作用するようです。その結果、眼球巨人症、すなわち近視の進行につながると考えられます。

オルソケラトロジーで矯正した場合はこの周辺網膜のピントのズレ(遠視のボケ像)が起こりにくいため眼軸を引き伸ばす刺激とならず、その結果近視の進行を抑制すると考えられています。

そのため出来るだけ質の高い近視矯正、周辺網膜のピンとのズレを最小化することが重要です。既製品に比べて、一人一人の角膜形状にオーダーメイドデザイン作成できる iOK® ではより質の高い視力が期待できます。必然的に周辺網膜での ”ズレ” も少なくなっていると考えられます。

一般のオルソケラトロジー(レンズ詳細データを医師がメーカーから教えてもらえない)と、iOK® の違いは医師がレンズのデザイン・データを管理できることで視力の質を高められることがポイントです。

 

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