専門医コラム
2015/05/18
五月病の漢方治療
今回は漢方薬の話です。うまく使いこなすと漢方薬は計り知れない効果を発揮してくれます
5月は野原の花や山の新緑が綺麗な季節です。陽気に溢れ、カラダの新陳代謝も良くなるのですが、蓄積していた悪いものも溢れ出してくる場合もあります。
就職や入学、新学期などの希望溢れた四月から一カ月が過ぎて、緊張感から疲労が強くなる人、新しい環境や人間関係の中で慣れることが難しく、精神的なストレスが強くなる人もいます。この時期にこのような何らかの症状が出ることを「五月病」と呼ぶことがあります。
最近、暑かったかと思えば寒くなったり、気候や湿度の変化が大きく、5月は体内で気血のバランスが保てなくなり昼と夜の正気のリズムが崩れやすくなります。例えば睡眠不足も起こりやすくなります。
一度体調変化を来すと、医療機関を受診しても検査で異常となることは少なく、これと言った治療も見つからないことが多いのです。まだ病気を確実な診断がつかない未病の一つと捉えても良いかもしれません。そのまま症状が悪化すると、登校や出社が出来ないなどの困った状況になることもあります。
こうした場合に、保険診療で対応できる漢方薬が奏功する場合があります。
代表的なものを挙げてみます。
半夏厚朴湯:ある程度の体力があり、外出しにくく、発作的に動悸があり、取りこし苦労をする方で、不安などの症状が出た場合
抑肝散:子供のひきつけに良く用いられます 神経過敏で怒りやすく、イライラしやすい方にも適応です
柴胡加竜骨牡蠣湯:不安や憂鬱感が強く、集中できない方
加味逍遥散:女性で細身の方で不安や不眠症状
五月病の症状が近視の進行に繋がる場合も考えられます。漢方薬は体質を診断してから処方する薬ですので、五月病症状が進行する前に医師に相談されると良いでしょう。
眼科疾患に限らず、何らかの症状がある方は、名古屋、長浜両院で対応しておりますので小栗にご相談ください。