専門医コラム
2015/06/02
現代人は大人も子どもも目を使わない!? 近視の原因の一つ
近視でお悩みの方の多くがご存知かと思いますが、毛様体筋が凝り固まってしまってピントを合わせることができなくなるのが視力低下の初期の段階です。
軽度の近視は、この毛様体筋が緊張したまま水晶体も薄く戻れなくなっています。
すると遠くを見るときでも、水晶体が薄く戻らなくなります。その結果、遠くのものが、ぼやけて見えます。この状態が近視です。
そこで、毛様体筋のトレーニングによって、硬くなった毛様体筋をほぐすと水晶体も元の状態に戻ります。毛様体筋のコリがほぐれれば、水晶体を薄くできるようになり、遠くがよく見えるようになります。
でも、どうやって毛様体筋のコリをほぐすことができるのでしょうか?
なぜ私達の目の毛様体筋が凝ってしまうのでしょうか?
多くの人は、
「目を使いすぎているから?」
と思うかもしれません。
実はその反対で ”余り目を使っていないことが原因” と言うと、
「そんな馬鹿な。一日中パソコンに向かって目を酷使しているよ!」
と思うかもしれません。
しかし、パソコンの画面を見ている時は、目の筋肉はほとんど動いてないです。
何故なら、パソコン作業等、現代生活では多くの場合、私達は目の機能をほとんど使っていません。
目をキョロキョロ動かすための外眼筋、眼球の中にはピント調節するための毛様体筋、光の量を調節するための虹彩括約筋などがあります。
外でスポーツをする時は、それらの筋肉をフルに使うことができます。しかし、パソコンに向かっているときはこうした筋肉は殆ど働かず、近くにピントを合わせるために毛様体筋がわずかに緊張するぐらいです。 この長時間の緊張が毛様体筋の凝る原因になってしまいます!
普段オフィスワークやスマホの時間が長いという人は、意図的に目の筋肉をストレッチすることをお勧めします。
その中でも特に毛様体筋のストレッチが大事です。そこで毛様体筋をストレッチする方法をご紹介します。
拙著『こども視力回復トレーニング』./?mnu=0211&IDX=372
でも紹介した、「近方体操法」です!
図のようなイメージで行ってください。まず人差し指を目の前に立てて下さい。その人差し指の先端に焦点を合わせたまま、指を前後に動かすだけです。
腕を伸ばして目と指の距離を遠ざけたり、反対に目と指の距離を10cmぐらいまで近づけたり、意図的に毛様体を動かすのです。
ちょっとぼやけますがピントを合わせるように意識します。
まずは一度やってみてください。ちなみに、両目で見ていると、指が目の前にあるときに「寄り目」になってしまうため、両目ではなく、片目づつ行って下さい。特に指が目の前にあるときに毛様体筋が動いていることを感じて頂けると思います。
人によっては目が痛いと感じるかもしれません。疲れて凝っている証拠ですね。
この近方体操法は毛様体筋に負荷がかかるので1日3〜5分くらいまでが良いと思います。疲れて凝っている人は目に痛みを感じるかもしれません。筋肉ですので使い過ぎは良くないのです。
無理の無い範囲で毎日続けてもらえる方法をご紹介しました。