専門医コラム

　人はネガティブな感情を見せる人には、とりわけ初対面のような場面では親近感を抱かないようです。

関係を築いていくときには、「よりポジティブに」「より笑顔に」が大切、当然と言えば当然ですよね。

米国カリフォルニア大学アーバイン校の研究グループが、心理学と行動科学の専門誌モチベーション・アンド・エモーションのオンライン版で2015年５月26日に報告しました。

Belinda Campos et al.Attuned to the positive? Awareness and responsiveness to others’ positive emotion experience and display.2015 May 26.[Epub ahead of print]

http://link.springer.com/article/10.1007/s11031-015-9494-x

http://www.springer.com/gp/about-springer/media/springer-select/friendships-start-better-with-a-smile/293828

パートナーの気持ちをどう受け止めるか

この研究では、他者のポジティブな感情をどの程度察知できるか、新しい関係を作るチャンスにどのように反応するかについて実験を行いました。

第１の実験は、４つの会話のシナリオに沿って、交際をしているカップルが過去の経験をたどりながらお互いの感情の軌跡をたどっていき、感情の上下についてどう受け止めていたかをテストしていくというもの。参加したのは66組の男女。

第２の研究は、91人の女性が参加。ルームメイトまたは見知らぬ人のどちらかと一緒に、短いビデオを見てもらうというもの。ビデオには、ポジティブな感情を刺激するものと、ネガティブな感情を刺激するものとがありました。

見知らぬ人の場合はポジティブのみ

結果として、１つ目の研究では、男女ともに相手のポジティブな感情について正確に受け止めることができていました。追加の分析では、ネガティブな感情よりもポジティブな感情の方をより正確につかめていると分かりました。

２つ目の研究によると見知らぬ人と組になった場合に、相手がポジティブな感情を示している場合に限って親近感を抱く傾向が認められました。人は、他人のネガティブな感情よりもポジティブな感情に共感できるようです。

新しい関係が作られる可能性があるとき、人は本能的にポジティブな感情に同調する！

意識的にポジティブな発言、笑顔を見せるのことが大切！！

当然と言えば当然の結果ですが、なかなかいつも笑顔でいるのは簡単ではありません。自身の反省を込めて！？