専門医コラム
2015/06/22
老眼を治す! 人生後半は遠くも近くもメガネ不要の裸眼生活☆
ラヂオCentral で亀山典子院長がお話しましたが、レーシックなど近視手術で視力回復した場合、遅かれ早かれ老眼で悩む方が増えます。メガネをかけたくなくて近視を治したのに、人生後半はずっと老眼鏡というメガネが必要となる•••嬉しくない話です!?
今週は、誰にでも必ず訪れる『老眼』の問題を取り上げたいと思います。
近視が無くなると、一般的には40歳以降ですが、アレルギーやドライアイなどの疾患をお持ちですと、30代後半位から手元の作業に日常生活に支障を来す場合があります。
現在では老眼も手術で治療出来るようになりました。40歳以降の大きな問題となる老眼も50歳前後で治療しておくと、その後50年以上遠くも近くもメガネ無しで生活出来る時代になりました!
大事なのは、必ず自分に起る事、だからそのための準備!
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白内障の治療に使われる眼内レンズには、標準的な治療法として普及している ”単焦点眼内レンズ” と、それを改良した ”多焦点眼内レンズ” があります。単焦点眼内レンズは遠方か近方のどちらか1点にのみ焦点が合うというもの。遠方に焦点を合わせると、老眼でなかった人でも術後には老眼鏡が必要となります。
ですから若い方の近視目的の治療に単焦点眼内レンズは向きません。
一方、多焦点眼内レンズでは、遠方と近方の両方に焦点を合わせることが可能なので若い人にはお勧めです。(中略)
参考までに40歳以降で老眼の進行が問題となっている場合にも、この多焦点眼内レンズが良い治療は良い結果に繋がっています。
(出典 小栗章弘著 子ども視力回復トレーニング P168 より抜粋)
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すなわち、多焦点眼内レンズによる白内障治療を受けることで、結果的に近視も老眼も治ってしまうのです。若い人が糖尿病などによって白内障になった場合、それまではどの距離もピントを合わせて見ることができたのに、単焦点眼内レンズ手術後は老眼になってしまい、急に不便な生活を強いられてしまいます。高齢者はもともと老眼だったとしても、ゴルフでボールは見えるけどスコアカードが読めないとか、タクシー運転手さんが運転には支障がないけど領収書が読めないなど困った状況は多いものです。そんな、クオリティ・オブ・ライフ(QOL=生活の質)の改善に貢献するのが多焦点眼内レンズなのです。
誰でも即適応となる治療ではありませんが、様々な原因で白内障が若いうちに進行している方には、レーシック等の手術より水晶体手術、特に多焦点眼内レンズ手術をお勧めする場合もあります。
費用をかけずに手術出来る場合も多いため(実質無料)、『先進医療』について次回はお伝えして行きたいと思います。
また、老眼単独であれば遠視、老眼(視)に対する手術Conductive
Keratoplasty(伝導式角膜形成術:以下CK)を以前のコラムでもご紹介しましたのでご参照下さい。