専門医コラム

2015/07/05

オキシコドンの長期服用で死亡リスクが高まる!

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トヨタ役員の逮捕でオキシコドンが注目を集めました。米国では医師が辛い痛みを抑えるために処方する薬です。

オキシコドンやバイコディンといった鎮痛効果を持つ処方薬は、長期間にわたって飲むと、原因を問わない死亡のリスクを4割程度高める可能性があると報告されました。

オキシコドンやヒドロコドンが広がる

米国エール大学のダニエル・F・ワイスバーグ氏らの研究グループが、アクワイアード・イミューン・デフィシエンシー・シンドローム誌において2015年6月18日に報告しました。

Research in the news: Long-term use of prescription opioids linked to higher mortality

http://news.yale.edu/2015/06/18/research-news-long-term-use-prescription-opioids-linked-higher-mortality

オキシコドンやヒドロコドンといった成分を含む麻薬作用のあるオピオイド薬、あるいは鎮静薬であるベンゾジアゼピンといった薬は、それぞれ単独、または組み合わせて処方されることが最近増える傾向です。

薬を多く飲むと死亡率は高まる

過去の研究では、薬を多く飲むと、死亡率が高まると報告されています。HIVに感染している人は薬を多く飲むので、そのためかという分析もあるようですが、否定的な見解が多いようです。健康な人であっても薬を多く飲むと死亡率は高まるという報告が増えつつあります。

オピオイド系の薬やベンゾジアゼピン系の薬については、90日以上という長期間にわたって飲むことが潜在的な有害性につながるかどうか、従来明確にはなっていませんでした。

複数飲むとさらにリスク上昇

今回の検証では、オピオイド系の薬を長期間にわたって処方された人は死亡リスクが40%高まると分かりました。

ベンゾジアゼピン系の薬も一緒に飲んでいる人、HIVに感染している人では、リスクはさらに高くなるとの結果も。

ベンゾジアゼピン系の薬を長期間飲むことに関連したリスクの増加は26%となっていました。

落下や事故で問題か

「懸念すべきことは、オピオイドやベンゾジアゼピンでよく見られる過剰摂取である」と研究グループは報告しています。

落下、交通事故、健康状態の悪化といったリスクにつながる可能性があるという見方があるのです。

死亡にかぎらず健康上のリスクを高める可能性はあるようです。

ガイドラインにそもそも沿っていない

今回の報告によると、オピオイド系の薬を長期間にわたって処方することはガイドラインに沿った医療ではないと説明しています。頻繁に状況を確認したり、尿検査を行ったり、代替となる治療に切り替えたりする必要があると強調しているのです。

先日のトヨタ自動車の役員の件はさておき、オキシコドンは麻薬系の薬でもあり、米国人も処方薬であっても控えた方が良いという結論のようです。

前回のコラム ( 意外な「薬」で意外な「副作用」、胃薬で心臓発作、風邪薬で認知症など注意! ) に引き続き『薬』について取り上げました。大人ももちろんですが、成長期の子供さんには特に薬の使用は長期投与とならないよう注意をお願い致します。

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