専門医コラム
2015/07/07
人は炭水化物無しでも生きられる!
脳のエネルギー、ブドウ糖!?
人間は以下の2種類のエネルギーで動いていると言われています。
① 炭水化物から作るブドウ糖 ② 脂質からつくるケトン体
しかし脂肪酸は脳に入ることが出来ないので、脳を動かすエネルギーはブドウ糖しかありません。
そのため人間のエネルギー源は、ブドウ糖になる炭水化物のデンプンだということが定説となっていました。(この定説を基に、砂糖や米の業界団体が、脳には炭水化物が必要だから、たくさん食べましょうと言うキャンペーンを行ってました)
痩せるにはカロリーの多い脂肪を減らすのが重要で、お米を食べる方が痩せられるということまで言われていました。そのため、アメリカではやたらと "Low Fat" がもてはやされています。Low Fat ではあるけれど、とても甘く、しかも量も多いため決して痩せるとは思えないようなヨーグルト等、アメリカのスーパーマーケットで目にした方は多い事でしょう。
ところが近年、炭水化物の摂りすぎは、様々な病気を引き起こすことが分かってきました。
糖化反応
糖尿病や高血糖症では、血液中の余分な血糖が、毛細血管やコラーゲンなどのタンパク質と結びつきます。これを糖化反応と呼びます。そのせいで血管や骨や肌の弾力や張りがなくなり動脈硬化を起こしたりカラダをボロボロにすることが分かってきたのです。
簡単に言うと砂糖が焦げて黒くなった状態をイメージして下さい。これが肌に現れたものが ”シミ” です。
糖尿病は目で白内障や網膜症、腎臓で腎不全、足で壊疽、他にも神経障害など様々な合併症が起こります。これは全て炭水化物による糖化反応が原因であることが解明されてきました。
また糖化反応による最終生成物である、「糖化生成物(AGEs)」 という茶色い物質が身体にできて、身体のあちこちを酸化させることも分かってきました。
この糖化と言う問題!
老化をはじめとした様々な病気の原因となる事が分かってきたため、『糖質制限』という考えが重要視されるようになったのです。
結論を言うと、私は人は敢えて炭水化物を取る必要は無いと考えています。
次回はこの続きで、血糖値を上げるのは炭水化物だけであるという問題を取り上げたいと思います。