専門医コラム

2015/07/08

人は炭水化物無しでも生きられる (その2)

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炭水化物の目への影響

余分な炭水化物は血糖値を上げ、余分なブドウ糖は肉体を糖化反応しボロボロにすることは前回お伝えしました。

糖尿病の方では、ブドウ糖が目の毛細血管を糖化反応すると糖尿病網膜症になり、網膜が "腐って" 失明します。日本人の3大失明原因の一つが糖尿病網膜症なのです。

糖尿病の合併症

糖尿病の3大合併症は先の網膜症、神経障害、腎症です。

末梢神経障害のために、怪我をしたり炬燵などで火傷をしても気付くのが遅れ、そこが化膿して壊疽を起こしてしまう重大な合併症を招くこともあります。これは足の毛細血管が糖化反応を起こして、血流が悪くなり壊疽に繋がるためです。酷い場合は足を切り落とすことなります。

腎臓の毛細血管に糖化反応が起ると腎不全となり、人工透析を行わないと生きていけなくなる場合もあります。

さらに骨のコラーゲン・タンパクが糖化反応すると、骨が弱くなって骨折しやすくもなります。

また動脈硬化も起こりやすくなり脳卒中や脳梗塞あるいは心筋梗塞などが糖尿病患者さんでは発症率が高くなっているのです。

いかに炭水化物が危険なもので、注意が必要か理解頂けると思います。

以前は、タンパク質や脂質も血糖値を上げると考えられていましたが、血糖値を上げる食べ物は炭水化物しかないことが分かってきました。

糖尿病は古くから世界中にある病気ですが、その原因が炭水化物の食べ過ぎにあると解明されてきているのです。

 炭水化物無しでも人間は生きていけるのか?

以前のコラムでもご紹介しましたが(肥満児対策は近視にも有効)人間とサルのDNAが殆ど同じであることを考えると、草食のサル同様、果物、野菜を主体とした食生活が一番簡単な健康法と考えます。自然界のサルは消化器に大きなストレスを与えるため炭水化物を余り摂取しないのです。

考えてみれば、こんなに炭水化物を食べて生きているのは人類以外の動物にはいませんね。

肉食動物は炭水化物無しでも生きています。

何故、炭水化物無しで生きられるか、理論付けようとすると話が長くなりますが、炭水化物無しで生きている人が意外と大勢おられることが、炭水化物無しでヒトが生きていける事を証明しています。

http://www.amazon.co.jp/食べない人たち-「不食」が人を健康にする-秋山-佳胤/dp/4837672140

炭水化物を減らす事が糖尿病はもちろん、多くの眼疾患を減らす事に繋がる可能性は非常に高いと考えます!

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