専門医コラム

2015/07/15

空気清浄機の活用! 寝るだけ口テープ法の効果を増強

アレルギー性鼻炎で鼻呼吸が出来ない!?

前回お話した口テープ法は睡眠時無呼吸症候群だけでなく、近視をはじめとした様々な目の病気、アレルギー疾患に効果があります。身体を緩めるべき睡眠時に睡眠が浅く緩められないことが免疫力の低下に繋がるからです。強制的に鼻で呼吸をさせる事で、鼻詰まりも改善する事が多いのですが、レルギー性鼻炎が強い方では呼吸が苦しくてテープを取ってしまうと言う方もいます。

口テープ

そのため点鼻薬を処方もするのですが、アレルギー性鼻炎の主な原因である空気中のハウスダストやダニを吸い込んでくれる空気清浄機が効果的な場合が多いです。

アレルギーを引き起こす原因物質

アレルギー体質の方は、いろいろな物質にアレルギー反応を起こしやすいといわれています。実際花粉症の方の7割がダニにも反応するというデータも!

アレルギーを引き起こす原因である物質の多くは空中を飛来しており、こうした抗原(アレルギーの原因物質)を集塵するのは空気清浄機が有効です。

吸入性のアレルゲンについて詳細に見ていきます。

ダニ: 最近は、室内の温度が年中快適になってきたため、昔は冬にはダニがいなくなったものが、年中繁殖してアレルギーの原因物質になっています。生きたダニを直接吸い込むことはほとんどありません。糞や死骸のかけらを吸い込んでアレルギー反応が表れます室内のダニの中でほとんどを占めているのはヒョウヒダニと言われています。ヒョウヒダニの食べ物は、人間のフケや垢です。(注意:よく、ダニはカビを食べるといわれていますが、ホコリダニなどはそうですが、ヒョウヒダニは食べません。) エサが人間から発生するものなので、布団や、畳、じゅうたんなどに沢山いるのです。布団とかを干して乾燥させると、増殖しにくくはなりますが、減らすほどの効果は見込めません。基本的に掃除しかありません。掃除は、ダニの餌をなくすと共にダニの糞や死骸を除去する役目をします。 3ヶ月しっかり掃除を継続すると、ダニがほとんど除去されるという報告があります。

花粉: スギ花粉は直径が0.03mmぐらいの球形をしています。このサイズの粒子は、空気中では3cm/秒落下すると言われています。外で花粉が舞っている姿はありますが、室内で花粉が舞っている状態はあまり想像できません。生活上の動作の中で舞いあがったりします。しかし、基本的に床に落ちているものと考えられます。室内では掃除が基本的な対策になります。屋外では、保護メガネやマスクなどで対策になり、帰宅時には必ず外ではらって家に入る習慣をつけるなども基本になります。

カビ: カビのアレルギーはカビの胞子を吸い込むことにより起こります。カビの胞子は種類にもよりますが、大体直径0.01mmぐらいの球形をしています。この大きさは、3mm/秒程度の速さで落下します。花粉より落下しにくいですね。一般的に、 屋外と室内では室内の方がカビの胞子の量は多いようです。屋外から入ってくる分と室内のどこかで繁殖した分が両方あるからでしょう。基本は、除湿です。カビは少しでも栄養分があれば生えます。全くきれいにすることはほぼ不可能ですので、人間がコントロールできるとすれば、湿気だけです。しかし、冬場温度の低い所には露がついていたり、部分的に湿気ている状態を改善することは難しいものです。窓とかの結露は頻繁にふき取ることは最低限必須です。結露を防止するには、除湿器などの方法もありますが、風通しをよくすることの方が重要です。いくら室内を除湿しても、タンスの裏などの湿気まで吸い取るのは難しいからです。風さえ流れていれば、結露はほとんど起こりません。空気中の湿度の90%であっても、そこに水分(水蒸気ではなく液体になった水と思ってください)さえなければ、ほとんどのカビは成長しません。

湿気のこもりそうなところに風を流すような工夫をしてください。

ペット: 最近のペットブームで、室内でペットを飼われる方が増えてきています。ペットでハムスター・ネコ・イヌ・小鳥などはそのアレルギー性が分かっています。ハムスター(げっ歯類)がもっともアレルギー性が強く、その次にネコ、イヌの順番と言われています。これらのペットの毛やフケを吸い込むことにより、アレルギーを発症します。フケのサイズは0.001mm程度と非常に小さく、これらはほとんど落下することなく、ずっと空気中をとんでいることになります。従って、吸い込み易くアレルギーになりやすいとも考えられます。飼育をやめないと根本的な対策にはならないようです。しかし、情が移るとなかなか離れがたしで、治療を困難にしている一因になっています。空気中に飛んでいますから、空気清浄機が非常に効果的です。

空気清浄機の性能

口テープ法を行う際に、鼻詰まりが気になる方は"空気清浄機" を寝室でお使いになる事をお勧めします。

尚、空気清浄機は値段も性能比較もまちまちなのが日本の現状です。清浄効果に対する明解な基準としては世界的にCADR(クリーンエア供給率)(※)という性能数値があります。米国家電製品協会が認証する、空気清浄機により濾過された空気の供給量を表す指標で、CADR値が高いほど速く空気を浄化する能力が高いことを示しています。(「確かに綺麗な空気を出しますよ」という保証)

残念ながら多くの日本メーカーの空気清浄機は世界基準CADRを導入していません

CADRでは、フィルターそのものの除去能力や風量を測るだけでなく、"きれいな空気をどのくらい送り出せるか"を測定。その数値を空気清浄機の性能の評価基準にしています。

例えば、『CADR 7.1㎥/分』というような数値で表示されます。

CADR測定はしていても数値を公表していない器機もありますので、購入時には確認されると良いでしょう!

  • ※CADR=Clean Air Delivery Rate

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