専門医コラム

2015/07/23

夏の旅行やレジャー、コンタクトレンズの使用に注意

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コンタクトレンズは目の ”異物”、 夏のレジャーで眼病増加

学校も夏休みに入り、家族や友人と夏のレジャーを楽しむ人も増える時期になりましたね。

夏のレジャーと言えば、海やプール!!

海やプールが原因で、コンタクトレンズ使用者に眼の病気が増えることはご存知でしょうか?

コンタクトレンズ使用者が海やプールに入る場合、最も推奨されるのが「度付きゴーグルの着用」です。何故ならコンタクトレンズを付けて海やプールの水を浴びると失明に繋がる『感染症』を起こしやすくなるためです。

しかし、日頃スイミングをしている人ですと度付きゴーグルを購入することもあるでしょうが、夏のレジャーのために購入してご自分用に持っている方は余りいないのではないでしょうか。

コンタクトレンズをして海やプールに入ると、レンズの形状が変化しやすく、目に傷がつく可能性が高くなります。特にソフトコンタクトレンズは、涙の中で最適な状態を保つようにできているため、海水にさらされると固くなることが多いのです。

失明の可能性もある「アカントアメーバ角膜炎」とは

また、レンズの変化よりも注意しなければいけないのが、「アカントアメーバ角膜炎」!

アカントアメーバとは、微生物の一種で、汚れた水の中や海水、時には水道水にも生息します。このアカントアメーバが眼の角膜に出来た小さな傷から侵入して、角膜に炎症が起きるのが「アカントアメーバ角膜炎」です。アカントアメーバ角膜炎の症状・治療法は決定的な方法がなく、最悪の場合失明も引き起こす、恐ろしい感染症です

・症状

初期は目やに、充血、流涙など軽症だが、症状が進むにつれ、ひどい充血や激しい痛み、角膜の白濁(にごり)などが加わり、視力低下や最悪の場合失明してしまうこともある。

・治療法

現在、アカントアメーバ角膜炎の治療に有効な薬剤は無く、抗菌薬を併用しながら、感染した角膜を削る処置を何回か繰り返す場合がある

海やプールだけでなく、忘れがちなのが温泉です。温泉のお湯(水)の中にもアカントアメーバが生息する可能性が高いのです。また、浴場でレンズを落としてしまうと、視力が悪くなり転倒などの危険性も増すので注意が必要です。

レジャーの際は、必ず1日使い捨てタイプのレンズを

では、実際にコンタクトレンズ使用者がレジャー、特に海やプールに行く際は、どのような注意をすればいいのでしょうか?

最も安全な方法は、近視を治療してコンタクトレンズ無しで生活出来るようにする事です。(⇒ 近視治療 をご覧下さい。年齢や近視によって様々な方法をご提案しています) コンタクトレンズと言う "異物” を目に入れているのは人間だけであり、本来生命体としては ”ありえない” ことをしているのです。

すぐに近視治療が難しければ、1日で使い捨てるタイプのコンタクトレンズを作り、持参することをお勧めします。海やプールで泳いだり、温泉に入った後は、必ずレンズを捨てて新しいレンズを着用するようにして下さい。

レンズを使用したその日に捨てる事で、レンズに付着した雑菌やアカントアメーバなどの感染からも、目を守ることに繋がります。

しかし、本来はこうしたレジャーは裸眼でするべき事ですので、この点を忘れないで下さい。毎週スイミングスクールに通っている子どもさんで使い捨てコンタクトレンズを付けてゴーグルして泳いでいると言う方が多いようですが、眼科医としてはお勧め出来ません。度付きゴーグルで目には異物を付けない状態で泳ぐ方法が安全です。

夏のレジャーが本格化する前に、是非眼科で1日使い捨てのコンタクトレンズを作っておくことをお勧めします。

コンタクトレンズは "安全” と誤解されていると思います。しかし実は殆どの場合、使い捨てコンタクトレンズを付けてレジャーを楽しむより、レーシックなどの近視手術で視力を回復して裸眼で過ごしてもらう方が眼科的に遥かに安全なのです!

・・・術後50年先の将来の角膜と、コンタクトを使い続けて10年後の角膜の比較では、圧倒的に後者の方が角膜の傷みが強くなると思うのですが・・・。

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