専門医コラム
2015/08/09
電磁波と不眠の関係 ~身の回りの電磁波が人体に与える影響~
毎日使うパソコンや携帯電話、電子レンジ、テレビ、ハイブリッド自動車・・・
家の中にある電化製品からは電磁波が流れ出ており、人の体はそれらの電磁波を浴び続けています。
電磁波が人体に与える影響は確定されたものではなく、悪影響があると言われているものも研究段階です。
日本よりも欧米の方が電磁波についての関心が高く、研究が進んでいます。
そういった研究の中で言われているのが電磁波と不眠症の関係です。
一部の研究では携帯電話の電磁波と不眠症には深い関係があるという研究結果もあります。
いったい電磁波はどれぐらい不眠に関係しているのでしょうか。
電磁波で不眠になると言われる理由
夜寝る前に携帯やパソコンをチェックしてから寝る、という人も多いのではないでしょうか。
よく言われるのは「目る前に光を浴びると寝られなくなる」という説です。
しかしこれは電磁波とは関係なく、寝つきをよくするためには光の遮断が大切という説の一つです。
では、電磁波の影響はどれぐらいなのかというと・・・
人間の体の中に流れている微量の電流(生体電流)が外部の電磁波に影響され、メラトニン(睡眠ホルモン)の生産が抑制されてしまうと言われています。
睡眠ホルモンが正常に活動していないと不眠につながると言われています。
電磁波が不眠に影響していると言われるのはこのためです。
パソコンやテレビなど、完全に電源を切らないものは電磁波をだしますから、人体に影響を与える可能性がある、ということです。
電磁波に過敏な人がいる?!
電磁波に過敏に反応して不眠や睡眠障害に陥る「電磁波過敏症」という症状があるのをご存知でしょうか。
電磁波過敏症の人は不眠症を訴える人が多いため、電磁波に体が反応しやすく、メラトニンやセロトニンの生産を妨げられやすいと言われています。
寝つきも寝起きも悪くなり、睡眠時間がだんだんずれていくという症状も報告されています。
電磁波過敏症は、生活の中でより多くの電磁波を浴びている人があらわれやすいと言われています。
不眠で悩んでいる方は、枕元に携帯電話を置いて目覚まし時計代わりに使っている方が多いですね。携帯電話やスマートフォンは出来るだけ睡眠時は身体から遠ざけて、電磁波を遠ざけてみるという方法も一つの不眠症対策に有効です。これだけで不眠はもちろん、頭痛持ちの方で日常の頭痛が軽減する場合も多いのです。
現在の不完全な科学技術で証明されないからと言って、電磁波を浴び続けるよりは、例えば上記のような睡眠時にチョットした工夫をする事で様々な不快な症状が改善されれば実行すべきと言うのが私の意見です。
一般に大人より子どもの方が電磁波の影響を受けやすいと言われており、成長期の子供さんは電磁波から可能な限り遠ざけてあげる事が近視を始めとした眼疾患だけでなく、全身的な問題解決に役立つと考えられます。
電磁波と不眠の関係まとめ
- 電磁波が人間に与える影響はまだ研究段階
- 身の回りの電磁波がメラトニン(睡眠ホルモン)の生産を妨げると言われている
- 電磁波過敏症の人は特に電磁波に反応が強いと言われている
- 不眠で悩む人は電磁波対策をする事で不眠症対策になる場合が多い
電磁波の悪影響から体を防ぐなら寝る場所にある電化製品の電源を落としておくなどして、なるべく電磁波を浴びないような工夫をお勧めします。