専門医コラム
2015/09/15
食欲の秋! BMIが高い人は「食べ足りない」•••
BMI(Body Mass Index)とは1994年にWHOで定めた肥満判定の国際基準です。日本でも健康診断で使っています。このBMIは「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」のように求められるため、身長と体重を入力すれば、BMIや標準体重が計算できます。
BMIの計算式は世界共通ですが、判定基準は各国で異なり、日本でのBMIの理想値は男性が22.0、女性が21.0です。これらの数値に近いほど「統計的に病気にかかりにくい体型」と疫学調査で判明しています。逆に肥満を示す25.0を超えると、糖尿病、脳卒中、心臓病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病にかかりやすいとされています。
このBMIが高い人は、食べた量を少なめに感じているという医学研究報告が出されました。
Stice E et al. Elevated BMI and Male Sex Are Associated with Greater Underreporting of Caloric Intake as Assessed by Doubly Labeled Water1,2. J. Nutr. September 2, 2015.
米国のオレゴン・リサーチ・インスティチュートとノースカロライナ大学の研究グループが栄養学の国際誌であるジャーナル・オブ・ニュートリーション誌に2015年9月2日に報告しました。
食べたりないのでもっと食べて、より太っていく。悪循環の元になっている可能性が高そうです。
エネルギーの取り過ぎを検証
エネルギーの取り過ぎは、肥満につながり、さらには病気につながります。
研究グループは、エネルギーの取り込みを客観的に測定して、自己申告と比べる検証をしました。
2つの研究をしており、一つでは、平均年齢18.4歳の91人の女性を対象として、もう一つでは、平均年齢15.2歳の男女162人、男性80人、女性82人を対象として調査しました。
食事の頻度質問、やせたいかどうか、やせるプレッシャーを感じているか、体型の不満、食事制限、食物に対する神経の反応などを確認したのです。
さらに食べたくなる
BMIが高いほど、食べた量を過少に自己申告する傾向が強まると分かりました!
脳の働きを確認しても、過少報告するほど、好きな食べ物をがまんできなくなり、甘い飲み物を飲みたくなるという問題と関連深い事がわかりました。
BMIが増えるほどに、さらに食べたくなってしまう•••。より太ってしまう傾向•••。食欲の秋、注意が必要ですね。
眼科と肥満の関連については過去のコラムでお伝えしましたが、食欲はお子様の近視の進行影響が高いと考えられます。
名古屋、栄、錦には、数多くの飲食店があり、世界各国の料理が目白押しです。土曜、日曜、休日を問わず何でも食べ物を選べる環境!? •••食欲に負けてしまうエリアでもあるのです (^^;