専門医コラム
2015/10/01
血液検査で「片頭痛」の診断を可能に、セラミドが少ないと要注意
片頭痛を繰り返すのはつらいものですね。
そうした人は「セラミドが少ない」という特徴があるようです。
米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究者が、神経分野の国際誌であるニューロロジー誌オンライン版に2015年9月9日に報告。米国神経学会からも発表されました。
昨日のコラムで『セラミド』について、ダイエット時にも重要である事をお伝えしました。
片頭痛と脂質の関係を調査
「反復性の片頭痛」は1カ月に15回以下の頭痛として定義されています。
研究グループは、片頭痛の目印に着目。反復性片頭痛を持つ女性52人と片頭痛を持たない女性36人を比べて、検証を進めています。
片頭痛の関係のある要因を調べるために、神経学的検査、BMIの測定、血液検査を実施しました。
セラミドという脂質が減少
片頭痛の頻度は、片頭痛のある女性で1カ月に平均5.6日となっていました。
血液検査からセラミドと呼ばれる脂質の水準が、片頭痛を持つ女性では片頭痛のない女性と比べて減っていると分かったのです。
片頭痛を持つ女性は約6000ng/mL(ngはナノグラム、ナノは10億分の1)であるのに対して、片頭痛のない女性では約1万500ng/mLとなっていました。
セラミドが増えるほど、片頭痛は減っていました。
診断が可能に
逆にスフィンゴミエリンと呼ばれる脂質は、増えるほど片頭痛が増加しました。
さらに、研究グループは、セラミドから片頭痛の人を診断することにも成功したのです。
今後の研究発展で、血液検査で片頭痛の診断を付けられるようになるかもしれませんね。
文献情報