専門医コラム
2015/10/04
電磁波の影響はここにもあった! 睡眠に与える影響と不眠との関係
すっかり秋めいてきて、暑くも寒くもなく快適な睡眠が取りやすい時期ですね!
しかし、睡眠が浅くて熟睡出来ない方が少なくないようです。
一つの原因として、目覚まし代わりに枕元(頭の近く)に携帯電話やスマートフォンを置いている方が増えている事が影響しているとしたら。
今回は、携帯やスマホに代表される、『電磁波』の問題を取り上げます。
以前にもコラムで電磁波の問題を取り上げました。私たちの睡眠に電磁波が何らかの影響を与えているのでしょうか。
私たちの身の回りには、電磁波を発生するものがたくさんあります。
電磁波が私たちの健康にどう影響するのか、不安に思っている人は多いでしょう。
実際に、海外では「電磁波過敏症」という病気が認められています。
私たちは、もっと電磁波の恐ろしさや対策について考えるべきなのではないでしょうか。
特に、電磁波が睡眠に与える影響は大きいと言われています。
電磁波については様々な意見がありますので、どの情報を取り入れれば良いのか迷う方も多いのではないかと思います。米国では電磁波がカラダに良くないという研究報告をすると、その研究者は研究費をもらえなくなると言う話もあり、研究をさせてもらいにくいという現状もあるようです。そうは言っても、簡単に避ける事が出来るのであれば、研究報告を待つまでもなく、対応した方が良いと言うのが私の意見です。
電磁波過敏症について
「電磁波過敏症」とは、アメリカの医学者であるウィリアム・レイ博士によって名づけられました。
この病気は、電磁波が引き起こしたと考えられる症状の総称です。
代表的な症状には、視力障害や鼻づまり、頭痛、めまい、呼吸困難などが挙げられます。
電磁波過敏症はなんの外傷もなく、患者本人の主観的な自覚症状によるものがほとんど。
そのため、病態の把握や検証作業が限られた範囲でしか評価されていないのが現状なのです。
電磁波過敏症の症状に、睡眠障害があります。
「最近なんとなく疲れがとれない」「しっかり眠れた気がしない」という状態が続いている人は、電磁波の影響についても考えてみるべきでしょう。
実は私も電磁波過敏症で、スマートフォンを手に持っていると頭が重くなるため、極力カラダから放すようにしています。胸ポケットに携帯を入れている男性を良く見かけますが、とてもしんどくて私には無理です。
ハイブリット車も、しばらく乗っていると頭が重くなります。
電磁波と睡眠の関係、電磁波は睡眠とどう関係しているの?
私たちの睡眠には「メラトニン」という睡眠ホルモンが大きくかかわっています。
メラトニンが正常に働くことで、睡眠は良質なものになります。
電磁波は、このメラトニンを破壊すると言われています。
メラトニンの量が減ることで、体内時計や睡眠のリズムが乱れ、安眠が得られなくなってしまうのです。
そして、「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「熟睡できない」などの睡眠障害として現れてしまいます。
電磁生体学の世界的研究で有名なロバート・ベッカー博士(ノーベル医学賞に2回ノミネート)は、電磁波の生体安全基準を1ミリガウスにすべきと主張しています。 さらに注意すべきは、「1ミリガウス以下なら安全」とは言っていないことです。 すべての異常な人工的な電磁波は、その周波数に関係なく、同様の生理的影響をもたらす。 これらの影響は正常な機能を低下させたり潜在的に有害であるといっています。
参考資料「船瀬俊介著書「やっぱり危ないIH調理器 三五館」より
電磁波は超低周波だけでなく、高周波やさらに波長の短いマイクロ波なども同様に生体に有害と言われています。
『人体は、高周波、マイクロ波などの波形をチューニング(同調)させ超低周波と同じ(波形)と感知することで生体へ影響をうけている』ともいわれています。
電磁波の影響が大きいのは寝室 子どもの”成長細胞”へも影響
電磁波の影響はできるだけ少なくするに超した事はありませんね。
しかし、寝室は最も電磁波の影響を受けやすい場所なのです。
家庭内では、さまざまな家電から電磁波が発生しています。
その中でも特に電磁波が強く、使用時間が長くなりがちな家電に、電気毛布や電気敷き毛布などがあるでしょう。
眠っている間、ほとんど動かずに電磁波の影響を受け続けるわけです。
しかも、眠っているときは起きているときに比べて抵抗力が少なくなります。
その状態で、毎日少しずつ、電磁波の影響を受けることになるのです。
前述のベッカー博士は、次のようにも述べています。
『もっとも電磁波の悪影響を受けるのは "成長中の細胞" です。それは細胞分裂のときDNAが分裂し2本に再構築されるとき、電磁波の振動でDNAが破壊されるからです。だから受精卵、胎児、子ども……などが強く電磁波の影響を受けてしまいます。DNA損傷は発ガン、催奇形性、遺伝病などの原因になります。さらに、電磁波は、うつ病、自殺、不眠など精神障害の引き金です。めまい、頭痛、耳鳴り、胸苦しさ、倦怠感などなど。電磁波過敏症と呼ばれる症状です。妊娠した女性がIH調理器を使用していると流産が5.7倍、増えます(初期流産)。電磁波被害は電磁波の 「強度」×「時間」で現れます。近づくほど長く使うほど危険です。』
不眠と電磁波の関係
電磁波過敏症の症状として、不眠を訴える人も少なくありません。
電磁波がメラトニンを抑制することについては、前述したとおりです。
就寝直前までテレビやパソコンを見ていたり、スマホを枕元に置いたまま眠ったりしていませんか?
このような行動は、明るさによって良質な眠りを妨げるだけでなく、電磁波の影響で不眠状態へと導いてしまうことになるのです。
特に、スマホは電源を入れたままの状態で枕元に置いて眠る人が多いと思います。
一晩中、電磁波の影響を頭の近くで受け続けることがどれだけ危険か、スマホを枕元から遠ざけるだけで、良く眠れるようになるか、簡単な実験ですから是非お試し下さい。
良質な睡眠をとるための電磁波対策
良質な睡眠のために必要な電磁波対策にはどのようなものがあるか、簡単な事は是非、今夜からでもお試し下さい。
1.電気製品を寝る場所から遠ざける
電磁波は、発生源から距離をとればとるほど、その影響を少なくすることができます。
発生源からの距離を2倍にすることで、その負荷を4分の1に軽減することが可能です。
たとえば、ベッドのすぐそばにテレビやラジカセなど、コンセントでつながっている電気製品を置かないようにしてください。
先に述べたスマホと同様、少なくても、寝る場所から1m以上離すようにしましょう。
2.テレビやパソコンを就寝直前に見ない
寝る直前までテレビを見ている、パソコンやスマホをチェックしてから寝る、という人は多いでしょう。
電磁波の影響を就寝直前に受けてしまうと、それだけ良質な睡眠が妨げられます。
最低でも、就寝1時間前までには電気製品を見たり触ったりするのをやめましょう。仕事上、避けられず私も苦労していますが。
電源が入っていなくても、微弱な電磁波は発生しています。
寝室にある電気製品は、出来るだけ不用な物はコンセントを抜いてから眠るようにしてください。
3.Wi-Fiの電源を切る
就寝前に、Wi-Fiや無線LANのコンセントを抜くことも大切です。
Wi-Fiの電源をオンにするだけで、電磁波の数値は驚くほど上がります。
「無線LANが1階にあって、寝室は2階だから大丈夫」と思っている人もいるでしょう。
しかし、Wi-Fi電波は家中に飛んでいます。
寝室と離れていても意味はないのです。
夜間は通信の必要がなければ出来るだけ寝るときだけでも電源を切るよう、ご注意下さい。