専門医コラム
2015/11/15
寝るだけダイエット! 痩せるには寝方も大切!?
太り体質になりやすい3つの寝相
ダイエットと睡眠には深い関係があり、睡眠時間、睡眠の質がともに大切であるということはよく耳にすることと思います。当院の内科顧問の佐藤桂子医師が書いた『寝るだけダイエット』にも詳しく記載されています。
そこに「寝方」、つまり寝相も関係していることはご存じですか?
いちばん落ち着くからと自分の定番となっていた寝相が、痩せられない原因、むしろ太る体質の原因となっているとしたら•••。
ここでは、太り体質になりやすいと考えられる3つの寝方をご紹介します。
1. 頸椎に負担の大きな「うつ伏せ寝」
うつぶせ寝は、安心感を与え、入眠しやすい寝相、また、気道が確保されやすいことから、イビキがひどい人や無呼吸症候群の人にとってはメリットの大きな寝相と言われています。
•••こうした場合は、寝相で対応するより『口テープ睡眠』をお勧めします。
なぜなら、美容やダイエットのためにはいちばん避けたい寝相だからです。
うつぶせ寝をするとき、多くの人は顔の向きを自然と左右どちらか心地良いほうに向けることと思います。そのため頸椎に負担がかかり、肩こりや首こりの原因にもなります。
実は、左右どちらか自分の向きやすい方向があるという時点で、すでに体の歪みが生じていると言えるのです。
歪みがあると、体はそれをカバーするためにあちらこちらの筋肉にクセが生まれ、さらに歪みが生じます。効率よく筋肉を使えなくなるため代謝が落ち、いつのまにかボディラインの崩れを生みだす結果にもつながります。
2. 片側の骨盤に負担のかかる「横向き寝」
寝はじめに、もっとも多くの人がとっているのが「横向き寝」の姿勢と言われています。
仰向けに比べて腰に負担がかからないため、腰痛がある人は特に横向き寝が楽なのではないでしょうか。
しかし、横向き寝もまた、体の歪みを引き起こす要素を含んでいます。
横向きで寝ると、片側の骨盤にばかり負担がかかり、骨盤の歪みを作りだしてしまいます。骨盤が歪むと、アンバランスになった体を支えようと骨盤回りの筋肉が緊張することから、血行やリンパの流れも悪くなり代謝が下がります。
それにより下半身の脂肪を貯め込みやすい体になってしまうのです。
いくら食事量やカロリーに気を遣っていても痩せにくいという、「太り体質」になってしまうおそれがあります。
3. 横向き寝+膝を曲げて縮こまる
横を向き、膝を折って縮こまるような寝相が落ち着くという人もいるでしょう。
しかし、この姿勢を長い時間続けていると、寝ている時でさえ猫背ということになってしまい、さらに体が歪んでしまうおそれがあります。
また、気づかないうちに深い呼吸が妨げられたり、内臓が圧迫を受けたりするため、内臓の機能が低下し、代謝が落ちることにつながります。
横向きで膝を曲げたほうがしっくりくるという人は、せめて上側の足を前にずらし、左右の足が重ならない姿勢をとるようにしましょう。
人は、眠っている間じゅう同じ姿勢を保っているわけではなく、無意識に何度も寝相を変えてはいるものですが、少しでもマイナス要素のない姿勢をとるようお勧めします。
仰向けでは寝付けないという人は、すでに歪みがあると考えることもできます。体の歪みは、脂肪のつきやすい体質へと変えてしまいます。
寝相には「歪み」の危険が含まれていることを認識して、日常生活の中から気をつけてみてはいかがでしょう。