専門医コラム

2015/12/17

老眼に性差? 女性は男性よりも気になりやすい!?

オピュール 木製メガネ

老眼は男性よりも女性にとって身近であるのかもしれません。感じ方に男女差がある可能性が示唆されました!

老眼の問題どう対策?

米国カリフォルニア大学バークレー校の研究グループが、眼科分野の国際誌であるインベスティゲーティブ・オフサルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス誌の2012年5月号で報告しています。

Hickenbotham A et al. Meta-analysis of sex differences in presbyopia. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2012;53:3215-20.

世界で老眼に悩まされている人は、12億7200万人に上るという分析結果があります。高齢化が進めば進む程、老眼の悩みは増加するのです。経済損失は日本円でおよそ3兆円に至るという推計も出ており、経済的な影響も無視出来ない大きさです。

老眼は30代から40代に兆候が見え始め、最近では『スマホ老眼』という若い年齢層にも問題が増えてきています。いつ出てくるかには男女差もあるようです。

研究グループは老眼の実態をつかむことで対策も打ちやすくなると、9つの研究報告に基づいて、老眼の男女差の背景について調査しました。

主観的な指標で男女差

ここから分かったのは、女性の方が男性より老眼は早めに現れるというもの。

興味深いのは、老眼にどのように気づくかで男女差の有無は変わるところです。

男女差が見られるのは、眼鏡を新たに着けたいと思うような、「主観的な見えやすさ」に関する指標です。一方で、検査で調べられる目の調節力のような「客観的な見え方」の指標に基づいて調べると男女差はないと出てきました。

女性の方が、実感としての目の見え方に不都合を感じやすい可能性もあるようだ。

研究グループは、老眼の見え方は、体の生理学的な男女差が影響するわけではないと推定。むしろ女性の生活や目で見るときの距離などが影響していると見る。

老眼を考えるヒントに

男性、女性で老眼を考えるときには、自分の実感と検査の結果を併せて考えると良いのかもしれません。

老眼の対策を考えるときにヒントになりそうな報告です!

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