専門医コラム

2015/12/20

有酸素運動と無酸素運動

ランニングする二人

運動には、大きく分けて有酸素運動無酸素運動があります。ふたつの違いと、ダイエットに効果的な運動についてお伝えします。

有酸素運動とは

有酸素運動は、読んで字のごとく酸素を必要とする運動です。体内に取り込んだ酸素を使って糖質や脂肪を燃焼させ、エネルギーを生み出します。負荷は軽度〜中等度なので、長い時間の継続が可能なのが特徴です。代表的なものには、ウォーキングやジョギング、水泳、縄跳び、サイクリングなどがあります。いずれも、深い呼吸で酸素を取り入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動です。

有酸素運動では下半身の大きな筋肉を使うため、血行がよくなって健康維持につながるほか、美肌やむくみ解消効果が期待できるともいわれています。

無酸素運動とは

無酸素運動は、酸素をほとんど必要としない運動です。とはいえ呼吸はしているので、まったくの無酸素になるというわけではありません。酸素を使って糖質や体脂肪からエネルギーを得る有酸素運動とは違い、糖質だけからエネルギーを生みだす割合が高いということです。

無酸素運動は短時間に強い力が必要となる運動で、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)がエネルギーの主原料として使われます。瞬発力を求められる短距離走や筋力トレーニングなどが、これにあたります。

ダイエットには有酸素運動が効果的?

では、有酸素運動と無酸素運動ではどちらがダイエットに効果的なのでしょうか。結論から言うと、どちらも効果的です。ただし、効果の出方に違いがあるので、目的によって使い分けることが大切です。

有酸素運動は、溜まった体脂肪を燃やして減量したい方におすすめです。5分や10分でも脂肪燃焼効果は期待できますが、脂肪の分解が高まり、活発に利用されるようになるまでにはある程度の時間がかかるため、20分以上継続して行うとより高い効果が見込めるでしょう。

無酸素運動は筋肉量を増やすのに適した運動なので、引き締まったメリハリボディをつくりたい方におすすめです。酸素を多く取り込まない状態で筋肉にある程度の負荷をかけることから、疲労物質の「乳酸」が溜まりやすく、長時間継続することはできません。短時間のみの運動ということからダイエットに向かないようにも思われますが、筋肉量が増えると基礎代謝が上がるため、寝ているときや普段の生活など、運動をしていないときでも脂肪が燃えやすい(=痩せやすい)体質になることが期待できます。

ふたつを組み合わせて行うことで、ダイエット効果がより高まるともいわれています。どちらかひとつを行っているが、なかなかダイエット効果を感じられないという方には、ふたつを組み合わせてみることをおすすめします。

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