専門医コラム
2015/12/27
全粒粉がコレステロールを下げる
日本でも西洋化が進み、パンを主食にする方が増えてきていますね。皆さんはどのようなパンを選ばれますか?
炭水化物は出来るだけ摂取しない方がカラダのストレスを減らせるので、私は出来るだけ米もパンも食べないようにしています。いつもはそれほど食べたいと思いませんので、特にストレスも感じませんが、パンを食べる場合は出来るだけ全粒粉のものを選ぶようにしています。
全粒粉を食べると、非全粒粉と比べて、悪玉のコレステロールを下げられると報告されました。
Hollænder PL et al. Whole-grain and blood lipid changes in apparently healthy adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled studies. Am J Clin Nutr. 2015;102:556-72.
まるごと食べる効果は?
デンマーク、コペンハーゲン大学のペニーレ・L・ホレンダー氏らの研究グループが、栄養学の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌2015年9月号で報告しています。
全粒粉は米での玄米のように、表皮や胚芽などもまるごと含んだ小麦粉の一種。心臓や血管の病気を防ぐ効果があると見られています。食物繊維のような栄養素は穀物の種類によって違いがあり、コレステロールや中性脂肪などへの影響は今後の研究が必要な点が残されています。
研究グループは、過去の研究をまとめて、全粒粉と非全粒粉のそれぞれがコレステロールや中性脂肪であるトリグリセリドにどういう効果を及ぼすかを調べています。24件の研究からデータを抽出しています。
食べる期間が長いほど
全粒粉を食べると、非全粒粉と比べて、悪玉のLDLコレステロール、コレステロール全体を含めた総コレステロールが下がりました。
さまざまな全粒粉の中でも、全粒のオート麦は、総コレステロールに最も効果が出ていました。
全粒粉の食品はHDLコレステロールに対する効果が見られませんでしたが、非全粒粉と比べてトリグリセリドを下げる傾向もありました。
食べる量が増えると効果が増すかは不明ながら、調査の期間が延びるほど数値改善が認められたのです。
こうした医学的研究からも、コレステロールを上げない為にも食べるのであれば全粒粉使用のパンが推奨されます。