専門医コラム
2015/12/31
睡眠不足は万病のもと その②
例えば、やせるための秘訣の1つは、良い睡眠を取ること!
今年5月7日にオランダ・アムステルダムで開催された肥満に関する国際会議で、このような研究結果が発表されました。
睡眠不足は、体にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか(過剰睡眠が体に良くない理由はまだよく分かっていません)。
睡眠不足の悪影響
まず睡眠不足は、交感神経を緊張させて高血圧になりやすくなります。またインスリンの分泌が減少し、血糖値が高くなり、糖尿病発症のリスクも高まります。
また、食欲を抑制し、脂肪を燃やし、代謝を亢進(こうしん)する働きを持つレプチンというホルモンが減少するのです。これによって食欲が増し、代謝や脂肪燃焼は減り、結果として肥満につながります。
忙しい日が続いて睡眠不足になると太るというのは、こういう理由があるのです。
当院の内科顧問、佐藤桂子医師のベストセラー「寝るだけダイエット」(Amazon総合1位を獲得)でも、ダイエットのための睡眠の重要性は述べられています。
年を取れば、熟睡感は減少
昼間動かない子どもは寝入りにくい、という7歳児での研究があります。
今年7月、ニュージーランドのオークランド大学は、昼間動かない子供は寝つきが悪く肥満になる傾向があると米医学誌に発表しました。
睡眠は加齢とともに変化していきます。10代、20代では、寝つきがよく、また深い睡眠が取れ、爆睡することも多いですね。寝たら起きない! 寝た子は起こすな、状態ですね。ところが、年齢を重ねるにつれて、寝つきが悪くなり、深い睡眠も少なくなります。
レム睡眠・ノンレム睡眠という視点から見ると、若い頃は睡眠の後半で多く出現していた浅い眠りのレム睡眠が、高齢になると眠り全体の中で平均化して現れます。つまり、深い眠りが減少するのです。
結果として、夜中に何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚めたり、熟睡感が減ったと感じるようになります。しかし、これは決して体調がおかしいとか睡眠障害というわけではなく、自然現象なのです。「もっと眠れるのではないか」と不満に思う必要はありません。
・・・眠りが短くなったからと言って、「歳を取った・・・」と嘆く必要もありませんが!?
良い睡眠について、滋賀医科大学睡眠学講座の宮崎総一郎教授は、次のように言われています。「良い睡眠とは、朝起きて疲れが残っていない、昼間に過度の眠気が起きてこないこと」
今年も今日12月31日が最終日! よく眠って来年は良い睡眠で元気に過ごしましょう☆ 私も睡眠不足解消を目指したいです。・・・が、なかなかハードルが高くて個人的には良く寝ることが大きな来年の目標です (^^;
今年一年、当コラムをお読みいただきありがとうございました。皆様の人生の健康にお役立ていただけるよう、来年も様々な情報をお伝えしたいと思いますので、引き続きご購読お願い致します!!