専門医コラム

2016/01/20

コラーゲンについて③ 市販品の注意点

コラーゲン DAAC-01

コラーゲンペプチドは万能? 市販品の注意点

近年市場に出回っている “コラーゲンペプチド” は、抽出したのちに各社独自の酵素を用いて分子量を小さくしています。

この過程で用いられている酵素がどのような物質であるかわからない場合もあり、長く安心して使用するためには人工的に分子量を小さくしなくても自然に近いコラーゲンの方が良いのではないかと考えられます。

例えば当院では内服用には、医療機関専用高分子コラーゲンを用いたサプリメントをご案内しています。

「高分子コラーゲン」=「ペプチド」ではありませんが、この高分子コラーゲンは消化されて“コラーゲン由来の "ペプチド” あるいは“コラーゲン特有の "ペプチド” となって体の様々なところに作用しているという意味で、“ペプチド”という言葉が当てはまると思います。

全ての高分子コラーゲンが良いとはもちろん言い切れませんが、市販品のコラーゲンペプチドの欠点を補った商品であると考えられます。以下、何故当院で市販品とは少々異なる「医療機関専用 高分子コラーゲン」を紹介しているのか説明させていただきます。

コラーゲンのまとめと推奨高分子コラーゲン

これまでのまとめですが、コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチド の区別を思い出してください。

コラーゲンが熱などによって変性してゼラチンとなり、そのゼラチンを酵素分解で低分子化したものがコラーゲンペプチド」 でしたね。

当院で使用しているサプリメントとしての高分子コラーゲンは、

① ガンの予防から開発がスタートしている商品

大阪医科大学の抗移植性免疫の研究で、細菌内毒素のタンパク質の特徴である、熱に強く、マクロファージを活性化する、糊の性質を兼ね備えていた分子量の大きなコラーゲン(高分子コラーゲン)を用いて商品化された。

② 自然に近い(あまり加工しすぎない)コラーゲン

長期間安全に使用するためには、人工的に分子量を小さくしなくても自然に近いコラーゲンの方が良いと考えられる。

③ 高分子コラーゲンは意図的に低分子化せず、機能性を持つペプチドを網羅的に含有

近年の研究で、ヒドロキシプロリンとプロリン、ヒドロキシプロリンとグリシンの2つのアミノ酸がくっついたペプチド(ジペプチド)がお肌や骨、軟骨の機能性の中心となっているという報告が多く、その点に着目して「ペプチド」という言葉が多く用いられるようになってきたよういう経緯があります。

しかしながら、コラーゲンはそれ以外にも生体内で血圧上昇抑制、高血糖の予防、粘膜保護作用、抗酸化作用など様々な働きを持つことが知られており、その活性部位はジペプチド以外のもう少し分子量の大きなペプチドが働いているという報告もあります。コラーゲンは必要なペプチドだけを意図的に切断することはできないので、高分子コラーゲンは、人の持つタンパク質分解酵素でアミノ酸まで分解されずに残存するペプチドがシグナルとなって様々な働きにつながる “機能性を持ったタンパク質” といえると考えます。

当院で処方しているメディカル・サプリメントは、コラーゲン以外の製品も、必要以上に化学加工されたものではなく、可能な限り自然な状態で身体に効率よく良い作用が期待できるものをご案内しています。

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