専門医コラム

2016/02/02

コーヒーは身体に良いの? その②

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前回はカフェインについて触れませんでした。今回はこの点をお話ししたいと思います。

なぜ科学者たちの間で意見が対立するのか?

多くの人は、「コーヒー=単なるカフェイン入りの飲み物」と考えています。ところが実際には、コーヒーは非常に多くの異なる成分を含む、とても複雑な飲料です。ですから、コーヒーを飲むと、健康に多様な影響をおよぼします。でもそもそも、どんな食品もさまざまな成分を含むわけで、コーヒーに限らず、単純な食品はほとんどありません

コーヒーが世界中で好まれていることもあり、現在、コーヒーが健康に与える影響に関して、具体的な研究が行われています。例えば、コーヒーが糖尿病のリスクになるかなどです。

一方で、ダム教授らの研究は、長期間にわたるコーヒー摂取と死亡率を見て、全体的な健康への影響を調査したものでした

もともとコーヒーの研究は、ほかの食品よりも少し複雑でした。背景にはコーヒーを飲む人の中に喫煙者、運動不足の人、栄養のバランスが欠けている人が多く、特に初期段階の研究では、それらのライフスタイルの因子を除外することが難しかったことが影響しています。結果、数十年にわたり、実際には、ほかの因子が関係している可能性があるにもかかわらず、コーヒーがある種のがんや心臓病のリスクを増加させると報告されていました。

ダム教授らの調査のように、すべてのライフスタイル要因についての多くの情報を含む大規模な研究では、健康に大きな害を与えるリスクは見つかりませんでした

妊娠中のコーヒーやカフェインのリスクに関する最新の研究結果

妊娠中の女性のコーヒーやカフェインの大量摂取が、流産のリスクを高める可能性についての論争があります。まだ結論はついていません。ただし、カフェインは胎盤を通過し、胎児に到達し、胎児はカフェインに非常に敏感です。ですから、妊娠中の女性は1日1杯程度に控えるべきだと考えられます。これはカフェインを含む飲料、緑茶などにも当てはまると考えられます。

なかなか議論の尽きない問題ですが、次回は高血圧や糖尿病などの具体的疾患との関連についてお伝えします。

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