専門医コラム
2016/02/04
目が良くなる!? 只今話題の高カカオチョコレートの効果・効能
高カカオチョコレートがテレビや雑誌などで取り上げられてちょっとしたブームですね。昨日2月3日には、NHK「あさイチ」でも取り上げられて、昨日スーパーへ買いに行った職員から、「売り切れていました!」との報告が!?
マスコミの影響力はすごいです!
良いことづくめのようですが、実際のチョコレートの注意点はどうなのでしょうか?
チョコレート、カカオは健康に良いのですが、そればかり強調されて肝心な注意をしなければいけないことがあまり理解されていないかもしれません。
今回は高カカオチョコレートの効果効能と食べる際の注意点をお伝えします。
チョコレートの効果効能
チョコレートはお菓子というイメージがあります。お菓子メーカーの努力で、2月14日のバレンタインデーには欠かせない商品となりました。
男性にとっても女性にとっても、「悩ましい日」に育っていますね!?
チョコレートそのものはお菓子と言うよりも、元々はカカオ豆をすりつぶした飲み物で
「薬」として使用されていた時代もあるのです。この点からも、チョコレートが健康に良いと言うのはほぼ間違いなさそうです。
チョコレートには抗酸化物質(=老化防止)と言われているカカオポリフェノールの他にカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル分や食物繊維も含まれています。
またフラボノイドやテオブロミンなど健康に良いとされる成分も含まれていますが、これらの成分はどのチョコレートにも存在するという訳ではなく、カカオが70%以上含まれているチョコレート(高カカオチョコレート)に多く含まれています。
この高カカオチョコレートが昨日のNHK番組でも取り上げられたために、スーパーの棚から一斉に無くなったのでしょう (笑)。
カカオポリフェノールの効能
- 動脈効果を防ぐ
カカオポリフェノールにはお茶に含まれるカテキンと似た構造の「エピカテキン」が含まれています。エピカテキンは血圧を下げる、HDL(善玉)コレステロールを増やすなどの効果があることが認められ動脈硬化を防止する効果が期待されています。
- ガン予防に期待
カカオポリフェノールの抗酸化作用が体内の活性酸素により引き起こされると言われるガンの効果に期待されています。日本で一番患者数が多いガンは胃がん(死亡者数は肺がん)ですがチョコレートをたくさん食べる国はガンによる死亡者数が少ないという研究結果が出ています。
- アレルギー性疾患やリウマチ、花粉症にも!
ガンと同じように活性酸素により引き起こされるアレルギー性疾患やリウマチにも果があります。春や近年は秋にも花粉症で悩んでいる方が多いですが
そのような方の活性酸素を抑える働きがあります。
- 認知症予防
脳に多く存在する「DHA」の酸化予防に効果があり 認知症の予防の効果も期待できます。
- 紫外線から肌を守る
こちらも抗酸化作用によるものです。
カカオポリフェノールの上記以外の効果は
咳(せき)を抑える(テオブロミンの効果)
脳卒中のリスクの低下
肥満の予防
歯周病予防の効果
集中力、記憶力を高める作用
疲労回復効果
血圧の上昇を防ぐ効果
などが挙げられます。結局こうした効果は、前回のコーヒーと同様、血液に対する抗酸化作用(サビ落し)ですので、当然、多くの眼科疾患にも効果が期待できます。
例を挙げると、花粉症、アトピー性眼症状、ドライアイ、緑内障、黄斑変性症、静脈閉そく症、そして忘れてならないのが「近視の進行抑制」です!
「肥満の予防」に関しては本当に?と疑問に思う方もいるでしょう。
実は食前に食べると血糖値がすばやく上昇するので食欲が抑えられる効果があります。
(もちろん食べ過ぎは禁物ですし、砂糖やミルクの含有量が多いものはお勧めできません。この点もコーヒーと似ています。)
さて良いことばかりのご紹介になりましたが、何事も全て良いということはありませんので、次回はチョコレートの注意点をお伝えしたいと思います。