専門医コラム

2016/03/14

リレックスの長期安全性

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前回に続いて、リレックスとレーシックの違いについてお伝えいたします。

レーシックは繊細な矯正や術後の近視再進行への対応も可能

リレックス・スマイルを受けて思い通りの視力が得られなかった場合の対応問題がネット上で出てきております。

仮に手術直後は視力に満足していても、”スマホ老眼” という言葉をはじめとして、成人での近視進行や調節異常患者さんの増加が社会問題となっています。

そもそも近視になった ”原因” を治さなければ、再度近視が進行する可能性は残されてしまいます

近視の再進行や遠視化が生じた場合は、追加矯正が必要となります。リレックス・スマイル後に生じた屈折異常を矯正する場合、再手術はレーシックで行います。2種類の視力回復手術を行うことは、眼に負担がかかるだけではなく、角膜の切除量や、追加矯正の適応範囲など、様々な課題が未解決です。

『私は絶対に近視の再進行を起こさない! スマホ老眼にもならない!』という自信のある方以外は、最初からレーシックで手術をしている方が安全であり、将来のリスクを軽減することに繋がると考えます。

追加矯正や再手術が事実上不可能 リレックス・スマイルの合併症

エキシマレーザーは、レーザーが停止しても、アイトラッキング機能によって停止したところからレーザー照射を再開することができます。しかし、アイトラッキング機能を持たないリレックスは、レンチクル(角膜片)が確実に切れていない場合、角膜片が残ってしまうことがあります。取り除くはずの角膜実質片が残るということは、手術後の屈折異常を招く恐れがあるということです。

リレックス・スマイルの手術中の合併症

リレックスで使用するフェムトセカンドレーザー「VisuMAX」は、他のフェムトセカンドレーザーよりも眼球を固定する吸引が弱いことがあげられます。手術中に眼を固定する吸引圧が弱いと、眼球から機械が外れてしまうサクションブレイクが起こりやすくなります。

リレックスのサクションブレイクについては海外の学会で多く報告されており、屈折異常が残る原因の一つとして取り上げられています。

追加矯正や再手術が事実上不可能

リレックス・スマイルでレンチクル(角膜片)の残存、手術中のサクションブレイクが原因で屈折異常が生じた場合は、追加矯正が必要となります。リレックス・スマイル後に生じた屈折異常を矯正する場合、再手術はレーシックで行います。

特に近視が強めの方は近視の再進行を生じやすいこともあり、再手術が必要となる可能性が高いと思われます。こうした方はレーシックの適応範囲であれば、最初からレーシックで手術をしている方が安全であり、手術のリスクを軽減することができます。

リレックスとレーシックの違い  まとめ

① エキシマレーザーとフェムトセカンドレーザーは、正確性において10倍の格差があります。

② リレックス・スマイル後に生じた屈折異常を矯正する場合、再手術はレーシックで行います2種類の視力回復手術を行うことは、眼に負担がかかるだけではなく、角膜の切除量や、追加矯正の適応範囲など、様々な課題が残されています

リレックスは今後の発展が期待できる新しい技術ですが、現時点で患者さんが選択される場合は慎重な判断をお勧めします。

今回述べたような問題点が改良されれば、今後レーシックに匹敵する治療となる可能性があると考えます。

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