専門医コラム
2016/03/23
肌だけでない!? 紫外線は目にもよくない
桜の開花宣言が出され、いよいよ春本番です!
・・・が、特に女性にとっては「紫外線」が気になる季節ですね。お肌の大敵と、日焼け止めを年中欠かさない女性が増えているそうですが、これからの時期、日増しに紫外線量が増加して行きます。
紫外線は目にもよくない
日焼けや火傷など、紫外線が皮膚に悪影響を及ぼすのはよく知られていますが、紫外線は目にとってもあまりいいものではありません。通常、肌に浴びる紫外線が最も強くなるのは午前10時から午後2時ですが、人間の顔の前部に位置している目は、斜めから入ってくる紫外線の影響が大きいため、通勤時間と重なる朝夕の紫外線対策が重要といわれます。紫外線の強い場所(スキー場、海水浴場、高山など)で角膜が直接かつ長時間紫外線にさらされると、角膜がやけどを起こした状態になり、紫外線角膜炎を発症します。
また、電気溶接や殺菌灯などの人口灯から出る紫外線で起きる症状は、電気性眼炎と言われています。溶接で目が焼けたといわれるのはこの事です。
紫外線角膜炎の特徴
症状が現れるのは紫外線にさらされた6~24時間後。
角膜は神経が豊富なため、夜間に激烈な目の痛みが生じます。
羞明(まぶしい)・流涙(涙が流れる)といった症状が現れ、目が開けられなくなり、異物感や乾きなどの自覚症状や、目の充血がおこります。
治療
通常は肌の日焼けと同様に1~2日で自然に治癒しますが、症状が強い場合は眼軟膏を点入して眼帯したり、感染防止のための抗菌目薬や角膜を保護する目薬を点眼します。
適切な対応をすれば、視力に後遺症を残すことはほとんどありません。
コンタクトレンズは感染症を起こす原因につながる為、症状が治まるまでは休止する必要があります。
対策
新雪は紫外線の85パーセントを反射させるので、スキーやスノーボードを行う際はゴーグルを着用するようにしましょう。
真夏の屋外での強い日差しは紫外線カットのサングラスやつばのついた帽子で対応しましょう。
電気溶接では、発生する紫外線の遮光度にあった防護メガネやマスクを必ず装用して作業するようして下さい。
厨房や実験室では殺菌灯を直接見ないよう心がけましょう。夜間人がいない時に殺菌灯を点けているところもありますが、一般照明を付けた時にこの殺菌灯を消し忘れていると、症状が起こることがあるので注意しましょう。
紫外線と目
紫外線角膜炎のような角膜障害は、紫外線にさらされた後短時間で起こりますが、白内障や翼状片、黄斑変性症など、長期間慢性的に紫外線にさらされて起こるとされている病気もあります。
すぐに炎症が起こるものばかりではないので、病気の予防のためにも上記に挙げたような対策をオススメします。