専門医コラム
2016/03/27
バリバリ働いている人に起こりやすい病気!?
視力低下を感じたり、物が歪んで見えたりしていませんか?!
自覚症状がある方はもしかすると中心性網膜症かもしれません!!
中心性網膜症
中心性網膜症は、正式には「中心性漿液性網脈絡膜症」といいます。この病気は網膜の中心部(黄斑部)に、脈絡膜から出た漿液 (血漿成分)がたまってしまう病気です。働き盛りの30~50歳代の男性に多くみられます。
網膜の外側には、血管の豊富な脈絡膜という組織があります。網膜のいちばん外側の層である網膜色素上皮が、この脈絡膜側からの水漏れを防いでいるのですが、何らかの原因で色素上皮の機能が弱まってしまうことがあります。すると、血管からしみ出した血漿成分が網膜の裏側に入り込み、黄斑部にたまって、丸い水ぶくれのような腫れが生じます。
はっきりした原因はわかっていませんが、疲れやストレスが誘因となっていると考えられています。
しかし同じストレスを与えられても、発症する人としない人がいることは他の病気と同様です。やはり、体を守る免疫力の低下と関連すると考えます。
免疫力を下げる生活習慣(主に水と食)を改めてください! というカラダのサインと考えて、早めに対応しましょう。当院のアレルギー科では、どのような対応をすると良いか、予約診療で治療させていただいております。
通常は片眼に起こり、軽度の視力低下、視野の中心が周りより暗く感じられる(中心暗点)、物がゆがんで見える(変視症)、物が小さく見える(小視症)、実際の色と違って見える(色覚異常)、軽い遠視になることがあります。良性の病気で、自然に半年程で治ってしまうことも多いのですが、再発しやすい特徴があります。ですから一旦良くなったからと安心せずに、免疫力を高めておかないと、次はもっと重症なカラダの病気につながる可能性があります。
検査と診断
まず、視力検査、アムスラー検査、眼底検査を行います。眼底検査でも十分診断は可能ですが、漏出点の特定をすることにより診断の確定がつきます。その一つが蛍光眼底撮影です。腕の静脈から造影剤を注射し、蛍光色素が漏れているところを撮影します。しかしこの検査は比較的薬剤性ショックを生じやすいため、どうしても必要な場合以外は行わず診断をさせていただいております。
治療方法
- ゆっくり心身ともに休むことが大切です。疲れ、ストレスをためないようにしましょう
- 薬物療法→消炎酵素剤やビタミン剤、網脈絡膜循環改善薬の内服
- 黄斑部の浮腫が長く続く場合
レーザー網膜光凝固術→漏出点をレーザーで焼き固め、漏水を止め吸収を促します。
当院でも保険診療による網脈絡膜循環改善薬の処方、自由診療でもビタミン点滴等行っております。症状が似ている疾患もありますので、目の異常を感じたら早めの眼科受診をおすすめします。